タイで車を買う

タイに移住後はマイカーを購入したいと考えている方も多いと思いますが、タイは日本に比べて車の価格が高いことが知られています。

タイに何年住むか分からない、たとえ短期間だとしてもコスパよく車に乗りたいですよね。

そこで今回は、タイで日本人向けに中古車売買事業を手掛ける「クルマ相談窓口」の佐藤社長に、タイでコスパよく車に乗るための秘訣や購入時の注意点などを伺いました。

タイで車を購入したいと考えている方はぜひ最後までお読みください!

タイで車の価格は日本の何倍?

佐藤社長

――タイは車が高いと言われていますが、日本と比べて新車価格はどの程度高いのでしょうか?

佐藤:新車の場合、車種にもよりますが、だいたい1.3〜1.5倍になります。例えばトヨタのYARISという車では、エントリーモデルが日本では140万円ですが、タイでは55万バーツ(約180万円)なので、約1.3倍ですね。

――YARISのエントリーモデルが200万円近いというのは、やはり日本人からすると高く感じますね。中古車の相場も1.3〜1.5倍程度なのでしょうか?

佐藤:中古車は新車よりも車種による価格の差が大きいのですが、日本の相場の2倍、またはそれ以上になります。タイでは日本より新車も中古車も価格は高いのですが、リセールバリュー(再販価値)も高いということです。

――高く買ったとしても高く売れるので、購入時と売却時の差額を考えれば日本よりもトータルコストでは安く乗れるということですね。

佐藤:おっしゃるとおりです。例えば、50万バーツの中古車を買って、3年後に30万バーツで売れれば、20万バーツで3年間乗れたことになります。

1ヶ月あたりで見ると5,555バーツ。もちろんこれにガソリン代や保険代も加算されますが、一日に何度もGRABやタクシーを利用する人であれば、マイカーを買ってもコストは大差ないんです。

――確かに。そう考えると、タイは車が高くてタクシーは安いから、タクシーを頻繁に利用したほうがお得と考えがちですが、逆ということですね。これは目からウロコでした。

新車購入のメリット・デメリット

タイの新車ディーラー

――タイで新車を購入する際のメリット・デメリットを教えて下さい。

佐藤:新車のメリットは、当たり前ですが中古車と比べて車両状態が一定だから変な車を掴むリスクが皆無ということですね。

デメリットは、新車購入から2年以内に売却する場合、値引き幅が大きいということに尽きます。

佐藤:例えば、150万バーツで新車を購入した場合、即売却したとしても125万バーツ前後になってしまいます。100万バーツなら80万バーツ。人気車種でこれくらいです。不人気車種なら買取価格はさらに安くなります。

――買った瞬間に20%以上も値下がりしてしまうんですね。

佐藤:そうなんです。タイに住む期間が2年以内なら新車購入はおすすめしません。

――どれくらいの期間住むか分からない場合は、新車ではなく中古車のほうが無難ということですね。潤沢に予算がある場合であれば別ですが、コスパ重視なら中古車が良さそうです。

そうは言っても、タイで中古車を買うのはちょっと怖いですよね。続いては中古車のメリット・デメリットを教えていただきましょう。

中古車購入のメリット・デメリット

タイの一般的な中古車ディーラー

佐藤:中古車のメリットは、車両状態がいいものを買うことができれば、値落ち幅が少ないということです。購入価格と売却価格に大きな差が生じないため、新車よりもコスパよく運用できるのが最大のメリットと言えます。

デメリットは、車両状態が悪いものを掴んでしまうリスクですね。

――日本でも中古車を買うのは素人では難しそうですが、タイは事故車やメーターの巻き戻しも多いと聞きます。

佐藤:メーターはデジタルになってから巻き戻しはだいぶ減りましたが、事故歴がある車が日本に比べて圧倒的に多いです。日本では修理代が高いこともあり、事故車はすぐに廃車にして新車を買う人が多いですが、タイでは人件費が安いので修理代も安く、事故車も直してしまいます。

佐藤:また日本では査定鑑定書があり、査定の基準が統一されていますが、タイでは査定の基準はあいまいです。自分で査定ができる目を持っていないと状態の悪い車を掴まされるリスクはかなり高いと言えます。

佐藤:ただ、「事故車=悪」ではなく、どこをどのように修理したか明らかになっていればいいんです。私は車を見れば事故車かどうか見分けが付きますが、それを隠そうとするディーラーとは付き合わないようにしています。

――素人ではなかなか手が出せないのがタイの中古車。だから佐藤さんのような存在が必要不可欠というわけですね。

タイで狙い目の中古車

――それではプロである佐藤さんが、タイで中古車を買うならこの車!というものがあれば、ぜひ教えて下さい。

佐藤:中古車をコスパよく乗りたいのであれば、自分が乗りたい車よりも高く売れる車(=人気車種)を購入されることをおすすめしています。

――なるほどですね。タイではどんな車が人気なんですか?

佐藤:新車・中古車問わず人気があるのはトヨタのフォーチュナー(日本未発売のラグジュアリーSUV)、いすゞの ミューエックス、ホンダのCR-Vですね。

――タイでもSUVが人気なんですね。中古車に限定するとどんな車が人気ですか?

佐藤:中古車ならマツダの3やCX-3、CX-5あたりが人気です。マツダ車は特に赤が他の色に比べて市場価格が高く、購入するなら赤がおすすめですね。

――赤のマツダ車は確かによく見かけますね。マツダ車以外であれば、どんな色が人気なんですか? 

佐藤:やはり白か黒が人気があります。車種によっては黄色や青が人気のものもありますが、そういった特定の車種でなければ白か黒を買うのが無難です。

――タイのタクシーはカラフルなので乗用車もカラフルな車が人気なのかと思いましたが、白か黒が人気なんですね。

タイで車を購入する方法

――続いて、タイで車を購入する方法を教えて下さい。新車と中古車で違いはありますか?

佐藤:購入方法は新車も中古車も同じです。必要書類を揃えて、ディーラーに行きます。日本では車購入時に必要な車庫証明はタイでは不要です。

【必要書類】

・パスポート(顔写真、ビザ、最終入国スタンプ)

・在留届証明書英文(在タイ日本国大使館にて発行)

・予約金1〜2万B(残金は納車前に一括支払い)

――保険についてはいかがでしょうか?

佐藤:タイでも自賠責保険と任意保険の2つの保険があります。自賠責保険は加入必須で保険料は年間645バーツ。

任意保険は新車の場合、ディーラーがプロモーションで付けてくれる場合も多いです。プロモーションに含まれていない場合でも交渉次第で付けてくれる場合もありますので、諦めず交渉してみてください。

佐藤:タイにはたくさんの保険会社がありますが、保険料をご自身で払うなら日本語対応の「MSIG」か保険金の支払いが迅速な「アクサ」がおすすめです。個人的には保険料が同程度ならアクサを選びます。

任意保険は日本人の場合、ファーストクラス(2万B前後)かセカンドクラス(8,000バーツ前後)に加入する方が多いですね。ファーストとセカンドの違いは、自損事故でも自分の車の保証が付いているかどうかです。

車購入時の注意点

――新車購入時に注意すべき点は何かありますか?

佐藤:納期の確認ですね。人気車種の場合、納期まで数ヶ月かかることもザラにありますので、今すぐ必要な場合は要注意です。

――中古車購入時に注意すべき点は山程ありそうですが、素人でも判断できるポイントなどあれば教えて下さい。

佐藤:やはり悪質なディーラーから購入しないというのが第一です。悪質ディーラーの例として、試乗を断ってきたり、予約金を払わないと試乗させてくれないというケースもあります。

また、車両の名義変更の回数があまりにも多い場合も要注意。ディーラーにメンテナンス履歴が確認できるワンオーナー車が理想です。

タイで事故に遭った場合

――最後に自分で車を運転していて、事故に遭った場合はどうすればいいか教えて下さい。

佐藤:日本ではまず警察に電話しますが、タイでは保険会社に連絡します。怪我人がいるなど大事故の場合は、保険会社が警察に連絡をするので個人が警察に連絡をする必要はありません。

――事故対応は保険会社に連絡するだけでいいのでしょうか?

佐藤:そうですね。相手がいる場合は相手にも保険会社に連絡してもらいます。対応は保険会社の指示を仰ぎましょう。

連絡を受けた保険会社の担当者が現地にやってきて、現場検証を行います。保険会社による事故処理が終われば、書類を受け取り、終了です。

佐藤:自走できる場合は、ご自身で保険会社の提携先の修理工場に持っていきます。自走できない不動車の場合は、ご自身でレッカーを呼んで車を移動させる必要があります。

おすすめのレッカー会社は日系のMARUYAMAさんです。タイで唯一の日本語対応のレッカー&ロードサービスの会社でタイ版のJAFのような存在ですね。私も車両運搬でよく利用しています。

MARUYAMA公式サイト:http://maruyama7777.com/ja/japanese/

タイで車を買うならクルマ相談窓口

今回はタイで中古車売買事業を手掛けるクルマ相談窓口の佐藤社長にご協力いただきました。佐藤さんはタイの日本人社会でも、「中古車の売買ならまずは佐藤さんに相談」という誰もが知る存在。個人・法人を問わず常にたくさんの顧客を抱える人気者です。

タイで失敗のない車選びをしたい人は、ぜひ佐藤さん(クルマ相談窓口)に相談してみてください。

クルマ相談窓口

運営会社:Sato Holdings Co.,Ltd

HP:https://www.kurumasodan.net/

筆者紹介

明石直哉

2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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