タイで賃貸物件を借りようと調べていると、アパート、コンドミニアム、サービスアパートという3つの形態があることに戸惑うのではないでしょうか。
日本で賃貸物件といえば、アパートかマンションのほぼ二択。アパートは安くてマンションは高い、というイメージがありますよね。
タイのアパート、コンドミニアム、サービスアパートにはどんな違いがあるかご存知ですか?
今回はその3つの形態の特徴やメリット・デメリットについて解説します。
タイのコンドミニアム
コンドミニアムとは日本で言う、「分譲マンション」のことです。
賃貸物件としてのコンドミニアムは、「分譲賃貸マンション」ということになります。
「コンドミニアム=高級」というイメージがあるかもしれませんが、必ずしも高級物件ばかりではありません。
新築でなければバンコク都心部でも家賃1万バーツ(約3万円)を切るコンドミニアムも珍しくはないです。
コンドミニアムは分譲マンションなので部屋ごとにオーナーが違います。そのため同じコンドミニアムでも内装や家賃が異なるのです。
部屋はいいのに内装がイマイチ、というのはタイのコンドミニアムあるあるでしょう。
最近の新築物件では、販売時にデベロッパーがインテリアもセットで販売する場合も多く、おしゃれな仕上がりの部屋が増えています。
コンドミニアムの魅力
コンドミニアムはプールやジムといった共有設備が充実していることも特徴のひとつです。
共有設備が充実していないと投資家に買ってもらえないため、プールやジムだけでなく、子供の遊び場やラウンジ、コワーキングスペース、ゴルフシュミレーター、最近では温泉まで備えたコンドミニアムが増えています。
日本のテレビ番組「ボンビーガール」でタイのコンドミニアムが話題になりましたが、1万バーツ台のコンドミニアムでも豪華設備を備えていることは、タイに暮らす大きな魅力といえるでしょう。
東南アジアの他国と比べても、タイのコンドミニアムのコスパは間違いなく最高レベルです。
コンドミニアムの注意点
コンドミニアムは部屋ごとにオーナーが違うと言いましたが、それはつまりオーナーの当たり外れが大きいということに他なりません。
部屋をいくつも所有し、外国人に貸し慣れているオーナーであればトラブルになることは少ないですが、新築物件で初めて自分の部屋を貸し出すオーナーの場合、退去時や家具家電が壊れた際に高額請求を受ける可能性もあります。
タイで賃貸物件を借りる際は、仲介業者を通すことが一般的です。慣れないうちは日系の仲介業者を通すことをオススメします。
次回の記事は、「タイで賃貸物件を探す方法」というテーマで、日系の仲介業者も紹介予定です。これから賃貸を借りる方はぜひお見逃しなく。
コンドミニアムのメリット・デメリット
△メリット
・物件数が多く選択肢が豊富
・家賃も低、中、高と幅広い
・豪華な共有設備
・電気代は電気公社から直接請求のため安い
▼デメリット
・部屋の内装・オーナーに当たり外れがある
・トラブル時の対応に時間がかかる
・オーナーによっては退去時に高額な請求が来る場合がある
タイのアパート
タイでは、建物一棟がまるごと賃貸物件として管理されているマンションをアパートといいます。
日本でアパートといえば2階建ての物件が多いですが、タイでは低層から高層まで様々なタイプのアパートがあります。
タイでは、「アパート=安い」ではありません。
もちろん安いアパートもありますが、スクンビットにはタワマン的な高級アパートも多数存在しています。
というよりアパートは安いか高いかの二択。1万バーツ以下の物件か、4万バーツ以上の高級物件ばかりです。
安いアパートは単身向けのワンルーム、高級アパートは家族向けの2ベッドルーム以上の物件がメインになります。
単身なら迷わずコンドミニアム、家族ならアパートも検討すべきでしょう。
アパートの魅力
一棟まるごと管理事務所が管理していますので、空室の問い合わせから入居、退去に関わるすべての対応を管理事務所に一本化できるのがアパートの魅力です。
コンドミニアムと比較してみましょう。
【コンドミニアムの場合】
入居者→仲介業者→オーナー→仲介業者→入居者
という手続きになり、家具家電や備品の不具合などの対応がどうしても遅くなります。
【アパートの場合】
入居者→管理事務所→入居者
という手続きになり、トラブル時の対応が迅速です。
部屋探しも仲介業者を通さず、アパートに直接出向き、空室があれば即入居可能というスピーディーさもアパートの魅力といえるでしょう。
1万バーツ前後のアパートに住む人のほとんどは、上記の方法で部屋を見つけています。
アパートの注意点
僕はタイで6回引っ越しましたが、そのうち4件はアパートでした。一度も管理事務所の対応が悪いアパートには出会っていません。管理事務所の評判は入居者獲得に直結するため、どのアパートも入居者への対応には気を使っているのでしょう。
注意点ではないですが、コンドミニアムに比べて共有設備に力を入れていない物件が多いこともアパートの特徴です。
1万バーツ以下のアパートではジムもプールもないという物件も珍しくありません。
高級アパートであればもちろん共有設備は充実していますが、豪華さという点ではコンドミニアムには及びません。
共有設備を重視するのであれば、コンドミニアム一択でしょう。
アパートのメリット・デメリット
△メリット
・数千バーツで借りられる安い家賃の物件が豊富
・トラブル時の対応が迅速
・即日入居可能
・同じアパートなら内装・賃貸条件はどの部屋も同一
▼デメリット
・高級物件以外は共有設備がほぼない
・電気代が管理事務所から上乗せして請求される物件が大半
・コンドミニアムに比べて新築・高層物件が少ない
タイのサービスアパート
サービスアパートとは、掃除やリネン交換といったメイドサービスが付いているアパートのことです。
家具家電以外にも食器や調理器具、寝具、ドライヤー、アイロンなど、生活に必要なモノが一通り揃っているのが特徴です。
長期滞在向けのホテルのようなイメージですね。
メイドサービスが付いていることもあり、基本的には高級物件しかありません。
単身向けのワンルームでも家賃4万バーツ以上はかかります。
メイドサービスの回数(週に数回)は、物件によって異なりますので入居時に要確認です。回数を減らすことで家賃の減額交渉が可能な場合も多いので、わずかに予算オーバーという場合は交渉してみる価値はあるでしょう。
またホテル系のサービスアパートでは、朝食バイキングもオプションで付けることも可能です。安くはありませんが、入居時の交渉次第で割引クーポンをGETできる場合もあります。
サービスアパートの魅力
兎にも角にもメイドサービスが付いていることに尽きるでしょう。掃除とリネン交換をしてもらえるのは本当に助かります。
常に部屋を清潔に保てますので、退去時に敷金(デポジット)から原状回復費が引かれることも滅多にありません。
物件によっては、掃除とリネン交換だけでなく、洗濯やアイロンまでやってくれるところもあります。
メイドサービスに何が含まれているのか、入居時によく確認するようにしてください。
また、Marriott Executive ApartmentsやAnantara、Somersetといったホテル系のサービスアパートでは、5つ星ホテル並のサービスが受けられることも大きな魅力。
ホテル系のサービスアパートでは、コンドミニアム並かそれ以上に共有設備が充実しています。プールサイドにバーがあるのは当たり前。スクンビットやサトーン、プルンチットにはルーフトップバーを備えるサービスアパートが何軒もあります。
単身なら4万バーツ以上、家族なら8万バーツ以上の予算があれば、サービスアパートはいい選択でしょう。
サービスアパートの注意点
サービスアパートには特筆すべき注意点はありませんが、強いて言えば、ホテルのように一泊から宿泊客を受け入れている物件が多いため、短期旅行者など頻繁に入居者が入れ替わることが注意点といえるかもしれません。
サービスアパートのメリット・デメリット
△メリット
・メイドサービスが付いている
・共有設備が充実
・ホテル系サービスアパートでは朝食がある物件も多数
・トラブル時の対応が丁寧かつ迅速
・即日入居可能
・同じサービスアパートなら内装・賃貸条件はどの部屋も同一
▼デメリット
・家賃が高い
・電気代が管理事務所から上乗せして請求される物件が多い
・短期旅行者など不特定多数の入居者が頻繁に入れ替わる
まとめ
以上、タイのアパート、コンドミニアム、サービスアパートの特徴、メリット・デメリットについてお届けしました。
予算が潤沢にあればサービスアパート、低〜中価格で共有設備を重視するならコンドミニアム、家族で暮らすならアパートがおすすめです。
次回は、「タイで賃貸不動産を探す方法」というテーマでお届けします。
これからタイで部屋を借りる予定がある方は、ぜひお見逃しなく!
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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