タイランドエリートビザと観光ビザを比較してみた
タイに長期滞在をするためには、ビザ(滞在許可)が必要になります。タイのビザには様々な種類がありますが、一般的なものは次の6つになるでしょう。
- 観光ビザ
- 学生ビザ
- リタイアメントビザ
- ビジネスビザ
- 結婚ビザ
- タイランドエリートビザ
まずは旅行の延長でタイに長期滞在してみようと考える人は、観光ビザが第一の選択肢になっていると思います。
しかし、「タイ移住について調べていると、タイランドエリートビザを取得している人が多いんだな」と、気になっているのではないでしょうか。
そこで今回は、タイの観光ビザとタイランドエリートビザを比較してみたいと思います。
タイの観光ビザの概要

まずはタイの観光ビザの概要から解説していきましょう。
観光ビザの種類
タイの観光ビザは、シングルとマルチの2種類があり、違いは以下のとおりです。
有効期間(発行日から)
シングル:3ヶ月 マルチ:6ヶ月
入国ごとの滞在可能期間
シングル:60日 マルチ:60日
※タイ国内のイミグレーションでそれぞれ30日の滞在延長が可能(延長申請料金は1900B)
入国可能回数
シングル:1回のみ マルチ:有効期間内なら何度でも可能
申請料金
シングル:1,000B(約4,000円) マルチ:5,000B(約20,000円)
※上記料金はラオスのタイ大使館で申請した場合の料金です。日本国内のタイ大使館では、シングルのみ申請可能で料金は5,500円になります。
タイの観光ビザを申請する場所として人気が高いラオスの首都ビエンチャンにあるタイ大使館の公式HPでは、観光ビザについてはシングルとマルチの両方の記載がありますが、
実際にマルチの申請が認められることはほとんどなく、シングルのみの申請が現実的です。
在ビエンチャン・タイ大使館公式HP
https://vientiane.thaiembassy.org/en/index
観光ビザとビザなしの比較

続いては、観光ビザとビザなし、いわゆるビザランの違いについて解説します。まずはもう一度観光ビザについておさらいしておきましょう。
シングル
タイ入国時に60日の滞在許可が得られ、60日経過する前にタイ国内のイミグレーションで延長申請をすれば、追加で30日の滞在許可が得られます。つまり最大90日滞在ができるということです。
滞在許可の期間内でも、タイを出国した時点でビザは失効され、滞在許可もリセットされます。
マルチ
タイ入国時に得られる滞在許可はシングルと同じく60日ですが、ビザの有効期間内なら出国してもビザが失効することはありません。タイに入国するたびに60日の滞在許可が得られ、
同様にイミグレーションで延長申請をすれば追加で30日の滞在許可が得られます。
ビザなし
日本人はタイ入国時に30日の滞在許可が得られ、イミグレーションで30日の延長申請が可能です。つまり、ビザなしでも最大60日滞在することができます。
60日も滞在できれば十分という方には、ビザなしで入国し、国内で延長申請するのが最安の手段です。
ビザラン
60日経過前に出国し、再度入国すれば30日の滞在許可が得られ、同様に延長申請で追加で30日滞在することができます。
こうしてビザ無しで出入国を繰り返し、長期滞在することをビザランと言い、バックパッカーなどが多く利用する手段でした。
ただし、ビザランは年々難しくなっており、2023年9月時点では、ビザなしでの滞在は年間最大180日までというルールがあります。
実際にビザランの日本人が空港のイミグレーションで入国拒否されたという事例も頻発。180日以上滞在する人は必ずビザを取得してからタイに来るようにしてください。
年間180日以内の滞在であればビザランも可能ですが、最近、タイの入国審査は厳格化傾向にあり、180日以内でも入国拒否される可能性もゼロではありません。
120日を超えたら観光ビザを取得しておくのが無難でしょう。
観光ビザの申請条件

観光ビザに限らずビザは申請する場所(大使館)によって、必要書類などの条件が異なります。日本のタイ大使館とラオスのタイ大使館では、必要書類に大きな違いがあります。
端的に言うと、日本のタイ大使館は必要書類が多く、おすすめできません。観光ビザの申請ならタイの隣国であるラオスのタイ大使館がいいでしょう。
ラオスのタイ大使館で観光ビザを申請する場合の必要書類と料金は以下のとおりです。
- パスポート(有効期限6ヶ月以上)
- 顔写真2枚
- パスポートのコピー(顔写真ページ、ラオスの出入国スタンプのページ)
- 申請書類
- タイの旅程と宿泊先(タイの住所、電話番号、メールアドレス)
- ラオスの宿泊先情報
- 申請料金1000B(タイバーツを用意)
- 英文の銀行残高証明(2万B以上)※求められない場合もありますが、在ラオス・タイ大使館のHPには必要書類として記載あり。
必要書類はその時々によって変更する場合もありますので、必ず在ビエンチャン・タイ大使館のHPをご確認ください。
https://vientiane.thaiembassy.org/en/page/tourist-visa-2?menu=63bcd875e8b39d00fd0e7513
観光ビザのメリットとデメリット

観光ビザのメリットとデメリットは以下のとおりです。
- 取得コストが安い:ラオスのタイ大使館ならシングル1,000B。ラオスへの交通費や宿泊費を加味すると合計5,000B前後)
- 申請が容易:ラオスなり周辺国の大使館に出向く必要はありますが、申請自体は容易。
デメリット
- 90日を超える滞在には不向き。
- 毎回出入国または延長手続きが必要。
タイランドエリートビザの概要

続いてはタイランドエリートビザの概要について解説していきます。
小見出し:タイランドエリートビザの種類
タイランドエリートビザは、5年から最大20年の滞在が可能なマルチビザです。期間内なら何度でも入国が可能で、入国のたびに1年間の滞在許可が得られます。
2023年9月15日をもって現行の料金が終了し、9月16日から新料金に移行します。
【2023年9月15日まで】
滞在期間5年 60万B(約240万円)
滞在期間10年 80〜100万B(約320〜400万円)
滞在期間20年 100〜200万B(約400〜800万円)
【2023年9月16日以降】
ゴールド:入会金90万B(約360万円)、滞在期間5年、年間20ポイント付与
プラチナム:入会金150万B(約600万円)、滞在期間10年、年間35ポイント付与
ダイアモンド:入会金250万B(約1000万円)、滞在期間15年、年間55ポイント付与
リザーブ:年間100名以下の招待のみ。入会金500万B(約2000万円)、滞在期間20年(追加料金で5年毎の延長も可能)、年間120ポイント付与
ポイントはリムジン、ゴルフ、スパなど様々な特典に交換可能。
タイランドエリートビザの申請条件
年齢や職業、収入などの制限はなく、犯罪歴がなければ誰でも申請可能です。
タイランドエリートビザのメリットとデメリット

メリット
- タイの長期滞在が容易に実現
- 空港での優先入国などのVIPサービス
- 税制上の利点
- 無料のスパやゴルフ場などのサービス
- 入国のたびに1年間の滞在許可が得られるため、面倒なビザの更新作業などが不要。
デメリット
- 高額な初期費用
- タイでの就労不可
- 税務面での課題
- 政策変更のリスク
- 短期滞在には不向き
タイランドエリートビザのメリット・デメリットについては以下の記事で詳しく解説していますので、そちらもご覧ください。
タイランドエリートビザと観光ビザの比較

それぞれのビザの特徴とメリット・デメリットがご理解いただけたかと思います。それでは最後に両ビザを比較してみましょう。
滞在期間
タイランドエリートビザは長期滞在、観光ビザは短期滞在向けです。一年を通してタイに長期滞在したい人であれば、タイランドエリートビザ、180日以内であれば観光ビザがいいでしょう。
申請と更新の手間
タイランドエリートビザは申請作業はすべて代理店が行ってくれるため、書類だけ集めてしまえば、手続きは簡単です。また一度取得してしまえば、更新の手続きなど手間はかかりません。
観光ビザは、ラオスであれ、日本であれ、本人が出向いて申請する必要があります。申請自体は難しくありませんが、数ヶ月ごとに出国したり、延長したり、といった手続きが発生します。
対象となる人物
タイランドエリートビザは、移住予算が潤沢にあり、長期滞在を希望する人向け。
観光ビザは短期滞在で費用を抑えたい人に適しています。
まとめ
以上、タイランドエリートビザと観光ビザを比較してみました。タイに長期滞在を考えている人はまず、ビザなしでタイに入国し、ラオスで観光ビザを申請。数ヶ月単位で滞在してみるのがいいでしょう。
もっとタイに滞在したいと思ったらタイランドエリートビザの取得を検討してみるのがいいと思います。
当サイトを運営するタイランドエリートインフォメーションセンターでは、タイ移住についての全般的な相談も受け付けていますので、ぜひ相談してみてください。
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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