タイランドエリートビザとタイのリタイアメントビザを比較してみた
仕事をリタイアし、タイで第二の人生を過ごそうとお考えの方にとって、真っ先に検討するビザはリタイアメントビザですよね。
タイのリタイアメントビザは、50歳以上という年齢制限はありますが、他国に比べれば申請条件も緩く、たくさんの日本人がタイでロングステイを楽しんでいます。
最近では、タイの長期滞在ビザ「タイランドエリートビザ」の名前を耳にすることが増えていると思いますが、同じ長期滞在ビザであるリタイアメントビザとは、何が違うのでしょうか?
今回は、長期滞在ビザとして人気の「タイランドエリートビザ」と「タイのリタイアメントビザ」を比較し、どちらがあなたに適しているのか詳しく解説します。
タイのリタイアメントビザの概要
タイのリタイアメントビザは、50歳以上の方を対象としたビザで、基本的には1年ごとに更新が必要です。正式には、「ノンイミグラントOビザ」という名称のビザで、他には年金ビザと呼ばれることもあります。
その名のとおり、50歳以上のリタイアした方向けのビザになりますで、タイ現地での就労はできません。就労する場合は、ノンイミグラントB(通称、Bビザ)を取得する必要があります。
リタイアメントビザの申請条件
リタイアメントビザの申請条件は以下のとおりです。
- 申請時点で満50歳以上であること
- 犯罪歴がないこと
- タイが指定する特定疾患(ハンセン病・結核・麻薬中毒・象皮病・第三期梅毒)ではないこと
- タイに入国禁止リストに掲載されていないこと
- 直近3ヵ月、タイ国内の銀行に80万B(約320万円)以上の預金があること。またビザ更新後も40万B以上の預金
- 毎月の収入(年金など)が65,000B(約26万円)以上あること
- 預金および収入の合計が80万B(約320万円)以上あること
- 医療保険への加入:外来の治療費40,000B以上、入院費40万B以上が補償される保険であること。(日本国内で申請する場合)
5.6.7.については、いずれかを満たしていれば問題ありません。
費用
リタイアメントビザの申請料金は1,900B(約7,600円)。これは毎年の更新時にも発生する費用です。
ビザ申請を代行エージェントに依頼した場合、1〜2万Bほどの代行手数料がかかります。申請はそれほど難しい作業ではありません。毎年のことなのでご自身で申請することをおすすめします。
リタイアメントビザのメリットとデメリット
【メリット】
- 初期費用が低い
- 50歳以上であれば、ほとんどの人が申請可能
【デメリット】
- 毎年の更新手続きが必要
- 最低80万Bの銀行預金や収入が必要
タイランドエリートビザの概要
続いてはタイランドエリートビザの概要について解説していきます。
タイランドエリートビザの種類
タイランドエリートビザは、5年から最大20年の滞在が可能なマルチビザです。期間内なら何度でも入国が可能で、入国のたびに1年間の滞在許可が得られます。
2023年9月15日をもって現行の料金が終了し、9月16日から新料金に移行します。
【2023年9月15日まで】
滞在期間5年 60万B(約240万円)
滞在期間10年 80〜100万B(約320〜400万円)
滞在期間20年 100〜200万B(約400〜800万円)
【2023年9月16日以降】
ゴールド:入会金90万B(約360万円)、滞在期間5年、年間20ポイント付与
プラチナム:入会金150万B(約600万円)、滞在期間10年、年間35ポイント付与
ダイアモンド:入会金250万B(約1000万円)、滞在期間15年、年間55ポイント付与
リザーブ:年間100名以下の招待のみ。入会金500万B(約2000万円)、滞在期間20年(追加料金で5年毎の延長も可能)、年間120ポイント付与
ポイントはリムジン、ゴルフ、スパなど様々な特典に交換可能。
タイランドエリートビザの申請条件
年齢や職業、収入などの制限はなく、犯罪歴がなければ誰でも申請可能です。
小見出し:タイランドエリートビザのメリットとデメリット
【メリット】
- タイの長期滞在が容易に実現
- 空港での優先入国などのVIPサービス
- 税制上の利点
- 無料のスパやゴルフ場などのサービス
- 入国のたびに1年間の滞在許可が得られるため、面倒なビザの更新作業などが不要。
【デメリット】
- 高額な初期費用
- タイでの就労不可
- 税務面での課題
- 政策変更のリスク
- 短期滞在には不向き
タイランドエリートビザのメリット・デメリットについては以下の記事で詳しく解説していますので、そちらもご覧ください。
タイランドエリートのメリットとデメリットを徹底解説!
タイランドエリートビザとリタイアメントビザの比較
それでは最後にタイランドエリートビザとリタイアメントビザを簡潔に比較してみましょう。
申請条件
タイランドエリートビザには年齢制限や資産・収入の条件はありませんが、リタイアメントビザは50歳以上という年齢制限と預金や収入についての条件があります。
費用と負担
タイランドエリートビザは初期費用が高いですが、リタイアメントビザは毎年更新費用が発生します。もちろんトータルのコストで言えば、リタイアメントビザのほうが圧倒的に低いです。
利用できるサービス
タイランドエリートビザには、空港でのVIPサービスや無料のスパやゴルフなどたくさんの特典がありますが、リタイアメントビザにはそのような特典はありません。
更新手続き
タイランドエリートビザは有効期間内(5〜20年)であれば更新は不要ですが、リタイアメントビザは毎年更新する必要があります。
就労
どちらのビザもタイ現地での就労は認められていません。
まとめ
以上、タイランドエリートビザとリタイアメントビザを比較してみました。
個人的には50歳以上であればリタイアメントビザ、50歳未満であればタイランドエリートビザがおすすめです。ただし、移住予算が潤沢にあり、リタイアメントビザの更新手続きなどが面倒に感じる人はタイランドエリートビザがいいでしょう。
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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