移住前に知っておくべきタイの水道光熱費、通信費について

バンコクは東京に比べて家賃が安いので、水道光熱費や通信費も安いと思われるかもしれませんが、それは半分正解で半分誤りです。

家族構成やライフスタイルでコストも大きく変わりますが、日本に比べて数分の一に収まるかと言えば、それはありません。

なにが高くて、なにが安いのか。

今回はタイ移住にあたり、知っておくべきタイの水道光熱費、通信費について解説します。

※為替レートは1B=約3.5円

電気代

タイの電気代は安くなく、日本より高くなる場合も多いです。その理由は一年中エアコンを使うからに他なりません。

タイでは電気代=エアコン代なので、エアコンを使う頻度を減らせば電気代は劇的に安くなります。

タイでは電気代の単価として、「ユニット(Unit)」が使われていますが、これは日本の「キロワットアワー(kWh)」と同じです。

電気代の単価(ユニット)は物件によって異なりますので、物件を探す際は電気代がユニットいくらか、必ず確認するようにしてください。

コンドミニアム、アパート、サービスアパートではそれぞれ電気代の請求および支払い方法が異なる場合があります。

【コンドミニアム】

電気代の請求:バンコクでは首都圏配電公社(MEA)から直接請求。

電気代の単価:3.2〜4.5B(使用量により単価が変動)

支払い方法:MEAから請求書が郵送されるので、コンビニやアプリ(True Money Walletや各銀行)から支払い。

【アパート】

電気代の請求:アパート側がMEAに支払う実費に上乗せして、賃借人に請求する物件が多い。コンドミニアムと同様にMEAからの実費のみを請求する物件も一部あり。

電気代の単価:6〜10B(上乗せの場合)

支払い方法:上乗せの場合、アパート側から月末〜月初に請求書が届く。家賃と合わせて請求される場合も多い。支払いは振込または管理事務所で現金かQRコード決済。

【サービスアパート】

電気代の請求:サービスアパート側がMEAに支払う実費に上乗せして、賃借人に請求する物件が多い。電気代を家賃に含める物件も多く、その場合、間取りによって上限金額が異なる場合がほとんど。

電気代の単価:6〜10B(上乗せの場合)

支払い方法:アパートと同様。

僕はバンコクで数百の物件を取材してきましたが、ごくまれにユニット10Bの物件に出会うこともあります。MEAからの直接請求と最大3倍も高くなるので、入居してから知りませんでしたではシャレになりません。

さすがに10Bはボッタクリとしか言えない単価ですが、大半のアパートは6〜8Bほどなので、それでもコンドミニアムに比べると2倍の電気代は覚悟する必要があります。

首都圏配電公社(MEA)のウェブサイト

先ほど、電気代=エアコン代とお伝えしましたが、コンドミニアムで特に節約を意識せずエアコンを使った場合、電気代の目安は以下のとおりです。

単身:1,000〜1,500B

夫婦:1,500〜3,000B

家族:3,000〜6,000B

上乗せするアパート・サービスアパートの場合、この2〜3倍の料金になります。

うちは古いアパートなのでユニット単価が高いのですが、2ベッドルームに住んでいたときは、1万Bの請求が来たこともあります。

その理由はユニット単価が高いだけでなく、エアコンが電力の消費量が多い旧式の据え置きタイプだったことと、一年で最も暑い4月にコロナ禍で在宅時間が長かったことが大きく影響しました。

今は1ベッドルームに引っ越し、ダイキンの省エネタイプのエアコンになったので、4月でも4,000Bほどに収まっています。

古いアパートの場合、「単価上乗せ」×「旧式エアコン」で、電気代は何倍にもなってしまうので、入居時には要確認です。

ガス代

キャプション:タイでは珍しいガスコンロ

タイのキッチンやお風呂の給湯器は基本的にすべて電気です。一部の古いアパートではキッチンにガスコンロを使用している物件もありますが、コンドミニアム、サービスアパートはほぼ100%電化されています。

タイには日本のように都市ガスは存在せず、ガスはすべてプロパンガス。うちのアパートのキッチンはガスコンロ3口と電気コンロ1口あり、ガスコンロをよく使います。

屋台ではガスコンロが一般的

プロパンガスの料金は物件によって異なりますが、うちのアパートは1タンクあたり500Bです。タンクが空になったら管理事務所に連絡し、交換してもらいます。

うちはふたり暮らしで毎日料理をするわけではないため、タンクは数ヶ月持ちますが、家族であれば1ヶ月でタンクが空になるでしょう。

それでも日本に比べてガス代は安いですよね。

水道代

水道代の単価には電気代と同じくユニットを使います。1ユニット=1立法メートルとなり、ユニット単価は20Bです。

電気代は高いですが、水道代は嘘みたいに安く、単身でコンドミニアムの場合、100B前後に収まります。家族でも500B程度見積もっておけば十分でしょう。

アパートの場合、電気代と同じく上乗せというか、固定料金になっていることが多く、その場合、500〜1,000B程度になります。

サービスアパートの場合、水道代は家賃に含まれていることが多いです。

ちなみに今のアパートは600Bの固定料金ですが、コンドミニアムに住んでいたときは毎月100Bほどでした。

浄水器代

水道が安いからといって、一概には喜べません。タイの水道水(というより水道管と貯水槽)は日本に比べて汚いことが多いので、料理や飲料水にはそのまま使えません。

在住日本人の多くの家庭では、浄水器かウォーターサーバーを設置しています。

日系の浄水器業者を利用する場合、機種にもよりますが月額1,000B前後が目安です。

浄水器やウォーターサーバーについては、移住前に知っておくべきタイの水道水・水事情をご覧ください。

水道代と浄水器代を合わせて、月1,000〜2,000B程度見積もっておきましょう。

通信費

インターネットプロバイダーのチラシ

最後は通信費、自宅のWi-Fiですね。

タイのWi-Fi・インターネット事情(←テキストリンクをお願いします)でお話したとおり、自宅でWi-Fiを利用するには二通りの方法があります。

・共有Wi-Fi(無料または有料)

・個別にプロバイダーと契約

共有Wi-Fiは有料であっても回線速度が遅い場合がほとんど。快適なインターネットを手に入れるためには個別にプロバイダーと契約するのがおすすめです。

プロバイダーの料金はプランにより異なりますが、500〜1,200B程度です。僕は900B強のプランを契約しています。

自宅でスマホしか使わないという方であれば、プロバイダー契約は必要ないですが、日本のテレビ番組が見られるサービスやYouTube、Netflixなどの動画配信サービスで毎日動画を見る場合は、プロバイダーと契約する必要があります。

自宅での通信費は、念のため月額1,000B程度見積もっておきましょう。

参考記事:「タイで日本のテレビ番組や動画配信サービスを視聴する方法」(テキストリンクをお願いします)

参考記事:「日本より高い?安い?タイの携帯電話事情を徹底解説!」

まとめ

以上、タイの水道光熱費、通信費についてのお話でした。

電気代以外は日本より安いと思いますが、激安かと言われれば、そうでもありません。

何度もお伝えしますが、コンドミニアム以外の場合、入居前に電気代のユニット単価、そしてエアコンの機種の確認をお忘れなく!

筆者紹介

明石直哉

2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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