移住前に知っておくべきタイの水道水・水事情
今回はタイの水道水事情についてのお話です。
日本では蛇口をひねればいつでも清潔で安心して飲める水が出てきますが、タイではそうではありません。
タイのホテルで水道の蛇口をひねると、サビで茶色い水が出てきたという経験がある方も多いのではないでしょうか?
それではタイに暮らす我々日本人は、毎日の飲料水や料理、入浴、歯磨きなどに使う水はどうしているのか。
今回はタイに移住する上で知っておきたいタイ・バンコクの水事情についてお話します。
バンコクの水道水は硬水
タイ・バンコクの水事情でまず知っておくべきことの1つとして挙げられるのが、バンコクの水道水は硬水であるということ。
硬水と軟水は、水1Lあたりに含まれるミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)の含有量により分類されています。
WHO(世界保健機関)の基準では、以下のとおりです。
・軟水:120mg/L 未満
・硬水:120mg/L以上
日本で売られているミネラルウォーターの場合、日本産のものは硬度50未満の軟水が多く、欧米産のものは200以上(エビアンは300弱)の硬水が多くなっています。一概に軟水が良くて、硬水が悪いというものではありません。
それでもタイに移住後、硬水であることによって、入浴後に肌が突っ張ったり、髪がパサついたり、という変化を感じるという話もよく耳にします。
日本は地方によって水の硬度が異なるので、タイの水が身体に合う、合わないというのは、タイに来る前にどこに住んでいたのかが影響するのです。
日本では、中部・西日本・北海道は軟水、関東・九州は硬水。関東・九州からタイに来た人は、入浴後でもそれほど変化を感じないかも知れません。
僕も関東から移住してきたので、入浴後に肌や髪に変化を感じたことはありませんでした。
タイの水は汚い?
タイの水は硬水というだけでなく、残念ながら日本に比べて汚いのも事実。水道水をそのまま飲むことはできませんし、僕は料理に使うことも避けています。
一時帰国などで長期間自宅を離れ、しばらく水道を使っていないと、茶色く錆びた水が出てくることもあります。茶色とまではいかなくとも、バスタブや洗面台に溜めた水が黄色い、というのはタイあるあるの1つでしょう。
さすがにあの色を見てしまうと、料理はもちろん、洗顔やシャワーに使うことも躊躇してしまいます。
なぜタイの水道水はそれほど汚れているのでしょうか。その原因は水道管やマンションに設置されている貯水槽のサビや汚れです。
日本では水道管の基準が厳格に定められており、サビが発生しない部材を使用しなければなりませんが、タイには水道管の基準が定められていません。そのためサビが発生する部材を本来使ってはいけない場所に使っている場合があり、水道水にサビが混ざってしまうのです。
マンションの貯水槽も同様にタイには基準がありません。管理会社が自主的に管理していますので、貯水槽が清潔に保てず、水道水に汚れやサビが混ざってしまうのです。
タイの水が汚いといより、水道管や貯水槽が汚いということですね。
タイの浄水器
それでは水道水はまったく使えないのかと言うと、そうではありません。在住者の多くは、浄水器を設置して水道水を使っています。
浄水器はご自身で購入して設置するか、日系の浄水器業者からレンタルするかのどちらか。
レンタル料金は業者や機種にもよりますが、月額1,000B前後。レンタル料金にフィルター交換や不具合の際の修理・交換費用も含まれているのが一般的です。
駐在員の場合は、入居時の家賃交渉で浄水器のレンタル料金を家賃に含めてもらうケースが多いようですね。
僕も日系の浄水器業者からレンタルしていますが、蛇口をひねれば清潔な水が出てきますので、毎日の飲料水や料理に重宝しています。2年ほど使っていますが、一度も水漏れなどの不具合は起きていないので、満足度は高いです。
僕が住んでいるアパートは築年数が古く、長期間利用していないとサビが混じることがあるので、念のためシャワーにも自分で購入した軟水・浄水兼用のシャワーヘッドを取り付けています。もしタイに来て肌荒れや脱毛が気になるという方は、軟水・浄水兼用のシャワーヘッドを試してみるのもいいでしょう。
ちなみに歯磨きには水道水を使っています。たまにサビの味がするときもありますが、飲むわけではありませんので、そこまで気になりません。
タイのウォーターサーバー
浄水器以外にも、ウォーターサーバーを設置して飲料水や料理用の水を確保するという方法もあります。タイにもウォーターサーバー用の宅配飲料水メーカーが数社ありますが、バンコクでは以下3社の名前をよく目にします。
・スプリンクル
・シンハ
・信濃湧水
この中で圧倒的にシェアを持っているのはスプリンクルです。
どのメーカーでも同様ですが、ウォーターサーバーは自分で購入し、飲料水ボトルが宅配されます。
料金はメーカーによりますので一概には言えませんが、目安は1ヶ月あたり600〜700B程度。
大家族でなければ浄水器レンタルよりもウォーターサーバーのほうが安くなる場合が多いですが、ウォーターサーバーの購入費用やボトル取り替えの手間を考える必要があります。
それでもウォーターサーバーは冷水・熱水を瞬時に使える利便性がありますので、料理には重宝しますよね。
コスパならペットボトルが一番
浄水器もウォーターサーバーもそれなりに毎月お金がかかりますが、一番安く上げるにはペットボトルがベストです。
コンビニやスーパーでは6Lのペットボトルが売られていますので、僕も一人暮らしのときはこのペットボトルをよく買っていました。
どのメーカーでも6Lで40B前後なので、1Lあたり7B弱とコスパ最高です。
6Lのペットボトルを自分で運ぶのは大変ですが、以前紹介した「Happy Fresh」などのネットスーパーアプリを利用すれば自宅まで届けてもらえます。
参考記事:タイのネットスーパーといえばこのアプリ!「Happy Fresh」の使い方を紹介!
一人暮らしであれば、それほど水の消費量も多くないと思いますので、この6Lペットボトルで十分でしょう。
まとめ
以上、タイの水道事情についてのお話でした。
日本に比べると水に対するコストは高いですが、毎日使うものなのである程度の出費は仕方がないと割り切っています。移住前に生活費の試算をする場合は、この水コストもお忘れなく。
タイに来てから肌荒れ、アトピーになってしまったという話もよく耳にしますので、皮膚や髪の毛に異変が生じた場合は、水道水を疑ってみて下さい。
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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