今回は、“バンコクの日本人街”と呼ばれるスクンビットについて解説する2本連続企画の第2回目として、プロンポン、トンロー、エカマイ編

をお届けします。

第1回のナナ、アソーク編では、以下の点について解説しました。

・スクンビットになぜ日本人が集まるようになったのか?

・スクンビットとはどこか?

・ナナ 〜歓楽街、アラブ人街、韓国人街が同居するエキゾチックタウン〜

・アソーク 〜ビジネスと観光の新たな拠点〜

スクンビットとはどこかについての説明は今回は省かせていただきますので、具体的なエリアを知りたい方は、まず前回の記事をお読みください。

それではプロンポンから解説していきましょう!

プロンポン 〜日本人に一番人気のザ・日本人街~

BTSプロンポン駅前

プロンポンは、BTSプロンポン駅を中心としたエリアで、バンコクで最も日本人が多く住む街です。

プロンポン駅にはエムクオーティエ、エンポリアムという2つの大型ショッピングモールが直結。日本人御用達のスーパーマーケット「フジスーパー」を筆頭に、グルメマーケット、ヴィラマーケットなど、輸入食材を豊富に扱うスーパーマーケットも駅前に集中し、スクンビット随一のショッピングタウンを形成しています。

グルメマーケット

プロンポン以外に住んでいてもプロンポンには定期的に買い物に来る人が大半です。逆にプロンポンに住んでいると、プロンポンから出なくてもすべてが賄えるため他の街にまったく行かなくなるというメリットなのかデメリットなのか分からない事態に陥ります。(笑)

それくらいプロンポンは日本人にとっては便利な街なのです。

ベンジャシリ公園

買い物だけでなく、駅前には緑豊かなベンジャシリ公園もあり、朝夕たくさんの人で賑わっています。

買い物、外食、運動の面において利便性が抜群に高いのがプロンポンと言えるでしょう。

プロンポンの住環境

プロンポンに4店舗構える日系のフジスーパー

プロンポンはエリア全域に住宅があり、最新のタワマンから築古のアパートまで選択肢が豊富にあることも魅力のひとつです。

物件の数ではスクンビットでもプロンポンが頭一つ抜けているでしょう。

家賃相場

単身向けの1ベッドルーム:8万円前後〜

夫婦向けの1ベッドルーム:12万円前後〜

家族向けの2ベッドルーム以上:16万円前後〜

・ショッピングモール:エンポリアム(ソイ24)、エムクオーティエ(ソイ35)、レインヒル(ソイ47)、日本街(ソイ26)、K-Village(ソイ26)、A Square(ソイ26)

・スーパーマーケット:フジスーパー1号店(ソイ33/1)、フジスーパー2号店(ソイ39)、フジスーパー3号店(ソイ39)、グルメマーケット(エンポリアム内、エムクオーティエ内)、ヴィラマーケット(ソイ33/1)、Big C(ソイ26)

・飲食店:日本食、洋食、中華、韓国、インド、タイなど豊富

・日本語対応病院:サミティベート病院(日本人専用病棟あり)

・公園:ベンジャシリ公園

・コワーキングスペース:あり

このスーパーマーケットの数だけ見ても、いかに暮らしやすいか、外国人が多いかが分かりますよね。

海外に住むのが初めての方、特に家族で移住する方はプロンポンに住んでおけば間違いないです。

トンロー 駐在員とタイ人富裕層の街

トンロー通り

トンローはBTSトンロー駅前から伸びるトンロー通り(スクンビット・ソイ55)を中心としたエリアで、日本人を始めとした外国人駐在員とタイ人富裕層が多く暮らす街です。

トンロー通りはスクンビットでも指折りの繁華街で、通り沿いには流行りの飲食店やホテル、タワマン、モール、パブが立ち並んでいます。

バンコクで最も富裕層が集まる街と言えるでしょう。

トンロー通り沿いのモール

ガイドブックでは昔から、“バンコクの青山”と称されることが多いトンローですが、僕が住み始めた10年前には言うほど栄えてはいませんでした。

おしゃれな店も少ないし、どこが青山なの?と、当時は思っていましたが、この10年でカフェ、レストラン、タワマン、モール、ホテルなどが続々とオープン。あっという間に洗練された街へと生まれ変わったのです。

当然、家賃も物価も高く、生活費はスクンビットで一番高くなることは念頭に置く必要があります。節約生活をしたい方にはまったくおすすめできない街と言えるでしょう。

トンローの住環境

トンローの日系サービスアパート「Staybridge Suites Bangkok Thonglor」

トンローは駅前よりもトンロー通りの中程が一番栄えています。BTSを毎日使わないのであれば、トンロー・ソイ5〜18の間に住むと便利でしょう。

昔から外国人駐在員が多く住んでいるため、新築・築浅だけでなく、築古で広めの物件が多いこともトンローの特徴です。

またサービスアパートも多く、予算が潤沢にある方はサービスアパートに住むという選択肢もあります。

家賃相場

単身向けの1ベッドルーム:9万円前後〜

夫婦向けの1ベッドルーム:14万円前後〜

家族向けの2ベッドルーム以上:18万円前後〜

トンロー通り沿いは高いですが、スクンビット・ソイ59や偶数側のソイ36や38、40であれば、家賃はガクンと下がります。

トンロー通り沿いにこだわらなければ、上記の家賃相場よりも割安な物件はいくらでもありますので、どのソイに住むか要検討です。

・ショッピングモール:ドン・キホーテ(トンロー通り)、J-Avenue(トンロー通り)、マーケットプレイス(トンロー通り)、エイトトンロー(トンロー通り)

・スーパーマーケット:フジスーパー4号店(ソイ49)、誠屋(ソイ49)、ヴィラマーケット(トンロー通り)、フードランド(トンロー通り)

・飲食店:日本食、洋食、中華、韓国、インド、タイなど世界各国の料理が楽しめる。おしゃれカフェも多い。

・日本語対応病院:サミティベート病院(日本人専用病棟あり)、バンコク病院(日本人棟あり)

・公園:なし

・コワーキングスペース:あり

トンローエリアは明らかに奇数側、特にトンロー通りのソイ5〜18が便利です。偶数側にはスーパーマーケットもありませんし、コンビニもレストランも数えるほどしかありません。偶数側に住むと、買い物はトンロー通りではなく、プロンポン駅前を利用することが増えるでしょう。であればプロンポン駅前に住んだほうがいいのかなと思います。

初めてタイに暮らす方で、どうしてもトンローに住みたいのであれば、高い家賃は覚悟して、トンロー通りのソイ5〜18あたりに住むのが無難でしょう。

エカマイ カフェとパブと高級住宅街

エカマイ通り

エカマイはBTSエカマイ駅から伸びるエカマイ通り(スクンビット・ソイ63)を中心としたエリアで、カフェやパブが多い街として知られています。

プロンポン、トンローに比べて開発が少し遅れたため、物件や商業施設の数は少なめ。その分、家賃もプロンポン、トンローよりは若干割安です。

エカマイ駅前にはパタヤやサメット島、チャーン島などタイ東部方面への長距離バスターミナルがあり、思い立ったらすぐに旅行に行けることは大きなアドバンテージでしょう。

エカマイ通り沿いにあるドン・キホーテ

エカマイ通り沿いにはタイ人の若者向けのパブが立ち並び、トンロー通りと交差する一帯(エカマイ・ソイ5、ソイ12周辺)がナイトクラブ街となっています。

夜遅くまで賑わいますのでそういった喧騒が苦手な方は、できるだけエカマイ駅前、またはスクンビット・ソイ61に住むことをおすすめします。

エカマイの住環境

ゲートウェイ・エカマイ

エカマイ駅には直結のショッピングモール「ゲートウェイ・エカマイ」があり、日系スーパーマーケットの「マックスバリュ」や、「てんや」、「丸亀製麺」、「幸楽苑」といったファストフード系の日本食店が入居しています。

またエカマイ通り沿いの大型スーパー「Big C」には、生鮮食品から家具家電、寝具まで生活必需品が一通り売られており、移住当初の買い出しに便利です。

プロンポンやトンローにはショッピングモールもスーパーマーケットも高級店しかありませんが、エカマイは庶民店がメイン。

スクンビットの中でも生活費を抑えて生活することができるのがエカマイの魅力といえるでしょう。

家賃相場

単身向けの1ベッドルーム:7万円前後〜

夫婦向けの1ベッドルーム:11万円前後〜

家族向けの2ベッドルーム以上:15万円前後〜

・ショッピングモール:ゲートウェイ・エカマイ(ソイ42)、ドン・キホーテ(エカマイ通り)、パークレーン(エカマイ通り)

・スーパーマーケット:Big C(エカマイ通り)、マックスバリュ(ゲートウェイ・エカマイ内、パークレーン内)

・飲食店:日本食、洋食、韓国、インド、タイなど。一軒家カフェも多い。

・日本語対応病院:スクンビット病院

・公園:なし

・コワーキングスペース:あり

エカマイの家賃はトンロー寄りになれば高くなり、プラカノン寄りになれば安くなる傾向があります。

スクンビット・ソイ61

個人的にオススメのソイは、スクンビット・ソイ61です。ソイの奥が行き止まりになっていて、さらに他のソイへの抜け道もないため交通量が少なく、騒音に悩まされる心配もありません。

まとめ

バンコクの日本人街「スクンビット」第2回プロンポン、トンロー、エカマイ編をお届けしました。

スクンビットのどこに住んでもプロンポンには必ず週に一度以上訪れることになるでしょう。プロンポンはそれくらい便利な街です。

海外生活が初めての方や買い物の利便性を重視する方にはプロンポンを強くおすすめします。

おしゃれなレストランに囲まれて生活したい方はトンローへ。

高級店ばかりの生活はちょっと疲れそうだなという方はエカマイがおすすめです。

日本人がたくさんいるところは嫌!という方には、そもそもスクンビットはおすすめしません。

以上、バンコクの日本人街「スクンビット」の5つのエリアを2回にわたり僕なりに解説してみました。暮らしやすさの基準は人それぞれですが、エリア選びの参考にしていただければ幸いです。

筆者紹介

明石直哉

2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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