今回はタイ・バンコクの医療事情についてのお話です。
旅行でタイを訪れる際には、現地の医療事情はあまり気にしないと思いますが、長期滞在や移住となれば話は別。
現地の医療水準や医療費、保険、日本語対応の有無など事前に調べておく必要がありますよね。
そこで今回はバンコクの中でも日本人が多く暮らすスクンビットエリアの医療事情について解説していきます。
スクンビットがどこかご存じない方は、まず下記の記事をお読みください。
タイの医療水準
移住する上で一番気がかりなのは、医療水準ですよね。タイの医療水準は低いという先入観をお持ちの方が多いかも知れませんが、バンコクのトップレベルの私立総合病院であれば、日本に引けを取らないレベルだと言われています。
タイでは2000年以降、国策として海外からの医療ツーリズムを推進。今では近隣諸国のみならず中東からも多くの患者がタイにやって来るようになりました。
2018年にはアジアで先駆けて医療大麻を合法化するなど、積極的に最先端の医療を取り入れているのです。僕は医療大麻についても取材を進めていますが、日本から何人もの癌患者が大麻治療を目的にタイを訪れています。
私立病院か国立病院か
タイの病院には日本と同じように国立病院と私立病院があります。日本で“国立”と言うと、しっかりしているイメージがありますが、タイでは必ずしもそうではありません。
国立病院は私立病院に比べて医療費が安いため、常に多くの患者で溢れています。朝から行ったとしても診察の順番が回ってくるまでに長時間待たされることもあり、正直おすすめはできません。
一方、私立病院は国立病院よりもはるかに医療費は高額ですが、その分サービスや設備に反映されています。スクンビットの私立総合病院では高級ホテルのような豪華施設で日本語通訳も常駐。日本よりも快適に入院・通院ができると評判です。
上場している病院グループもあり、タイでは医療がビジネスとして確立しています。タイで病院にかかるなら特別な理由がない限り、私立病院がおすすめです。
医療費と保険について
私立病院の医療費は高額とお伝えしましたが、スクンビットエリアの私立総合病院の医療費は特に高額です。これらの病院は日本人をはじめとした外国人駐在員とタイ人富裕層、海外からの医療ツーリズム客をターゲットにしているため、設備とサービスに莫大な投資をしています。
数年前に知人が盲腸の手術でスクンビットの私立総合病院に入院・手術しましたが、その医療費はなんと300万B(約1000万円)だったそうです。幸い海外旅行保険付帯のクレジットカードを複数枚所持していたこともあり、すべて保険でカバーできたそうですが、保険がなければ破産してもおかしくないですよね。
ちょっとした風邪で診察を受けて、薬を処方してもらうだけで1万円弱の医療費がかかりますので、タイに長期滞在するのであれば、医療保険への加入は必須です。
病院によって利用できる保険に違いがありますが、スクンビットの私立総合病院であれば、日系・外資を問わずほとんどの医療保険に対応しています。
キャッシュレス対応かそうでないかはご自身のプランをご確認下さい。盲腸手術の例もありますので、建て替える必要のないキャッシュレスがおすすめです。
駐在員であれば会社負担で医療保険に加入していますが、そうでない場合は現地で外資系の医療保険(AIAなど)に加入している人が大半でしょう。
日本の健康保険も一旦建て替えにはなりますが、私立総合病院であれば対応しています。
スクンビットエリアの日本語対応病院
スクンビットには日本語通訳が常駐している私立総合病院が以下4つあり、どの病院もHP上に日本語ページを設けています。
バムルンラード病院
日本語HP:https://www.bumrungrad.com/jp
公式Twitter:https://twitter.com/BumrungradH
MAP:https://g.page/bumrungradthailand?share
サミティベート病院
日本語HP:https://www.samitivejhospitals.com/jp/
公式Twitter:https://twitter.com/Samitivejclub
MAP:https://goo.gl/maps/jsKXd2wdaFdXt8jH6
バンコク病院
日本語HP:https://bangkokhospital-jsc.com/
公式Twitter:https://twitter.com/bangkokhospital
MAP:https://goo.gl/maps/KuMHzDRSJrR3RerH9
スクンビット病院
日本語HP:https://www.j-helpdesk.jp/hospital_info/sukumvit-hospital/
日本語Twitter:https://twitter.com/jhdbangkok
MAP:https://g.page/sukumvithospital?share
バムルンラード病院には数少ないタイの医師免許を持った百武先生が在籍。サミティベート病院はタイで唯一の日本人専用病棟を持つ病院です。
僕のまわりを見てもこの2つの病院が人気で、バンコク病院、スクンビット病院と続きます。
スクンビット病院は1〜2年前から日本語対応に力を入れはじめ、唯一日本語のTwitterを運用。タイの医療事情を知りたい方は、スクンビット病院のTwitterアカウントをフォローしておくといいでしょう。
スクンビットエリアの日系クリニック
スクンビットエリアには日本語対応病院だけでなく、日本企業が運営するクリニックが以下3つあります。
ブレズクリニック
MAP:https://g.page/BLEZ-CLINIC?share
サクラクロスクリニック
MAP:https://g.page/BLEZ-CLINIC?share
DYMクリニック
MAP:https://g.page/BLEZ-CLINIC?share
どのクリニックも日本語通訳が常駐していますので、日本語のみで受診することができます。
大手の私立病院に比べて待ち時間が少なかったり、医療費が安かったりすることもメリットと言えるでしょう。
僕は労働許可証や運転免許証の更新時に必要な健康診断はブレズクリニックで受けていますが、総合病院よりも遥かに安く、かつあっという間に終わるので助かっています。
スクンビットの日本語対応薬局
タイでは医療費が高いこともあり、一般庶民は体調が悪くなると、まずは病院ではなく薬局に行きます。日本では処方箋が必要な薬でもタイの薬局では処方箋不要で買えるものもあり、病院に行かずとも薬だけなら入手可能な場合が多いからです。薬を買うだけなら病院よりも薬局のほうが遥かに安いですからね。
僕も病院に行くことは年に一度もありません。熱や腹痛程度の症状であれば、薬局で済ましています。
タイの薬局は便利な存在ですが、移住したばかりの人にとって薬剤師にタイ語か英語で症状を正確に伝えるのは簡単ではありません。そんなときに頼りになるのが、日本語対応の薬局です。
先ほど紹介したブレズクリニックですが、ここはブレズ薬局という日本人常駐の薬局を併設しています。アソークに本店を構えるブレズ薬局は、スクンビットエリアを中心に20店舗ほど展開する日系最大手の薬局チェーン。在住者の生活には必要不可欠な存在です。
昨年には漢方専門店であるブレズ漢方薬局もオープン。東洋医学的アプローチでの治療も可能になりました。
ブレズ薬局アソーク本店
MAP:https://g.page/BLEZ-PHARMACY?share
ブレズ漢方薬局
MAP:https://g.page/Blez-Herbal-medicine?share
まとめ
以上、スクンビットエリアの医療事情についてのお話でした。
病院だけでなく、クリニック、薬局まで日本語対応のお店があるので本当に助かっています。海外の都市でこれほど日本人向けの医療サービスが整っているのはバンコクくらいでしょう。
コロナ禍ではタイ政府のワクチン調達の遅れもありましたが、大手私立病院では率先してワクチンを確保し、我々外国人にも提供しています。各病院が日本語での情報発信も積極的に行っているので、医療面での不安はほぼないと言っていいでしょう。
今回紹介した病院は日本語での問い合わせにも対応していますので、医療面で気になることがあれば、直接病院に問い合わせてみて下さい。
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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