タイに移住や旅行で来たばかりのころに戸惑うことの一つに、「タイではチップを払う必要があるのか?」ということが挙げられるでしょう。
結論から言うと、払う必要がある場所とない場所があります。
どんな時・場所でチップを払う必要があり、またいくら払うのが適切なのか?
今回は、タイのチップ制度についてお話をします。
チップ相場は僕の経験によるものではありますが、まわりの友人(タイ人含む)に聞いてもだいたい同じくらいなので、今回お伝えする金額を払っておけば問題ないでしょう。
チップを払う必要がある時・場所
チップを払う必要がある時や場所は、ズバリ以下の6つ+その他です。
・マッサージ、スパ
・ホテル
・レストラン
・バー、ナイトクラブ
・ゴルフ場
・タクシー
・その他(ツアーガイド、美容室)
その他に関しては必ずしもチップを払う必要はありませんが、ツアーガイドであれば、ガイド内容に非常に満足した時、美容室であれば行きつけのお店でシャンプーを担当してくれるスタッフに払うようにしています。
それでは各場所でいつ、どれくらい払うのが適切かを解説していきます。
マッサージ、スパ
タイに暮らす大きな魅力の1つが日本に比べて格安で受けられるマッサージやスパですよね。タイ滞在中は毎日マッサージに通うという人も少なくないでしょう。
一口にマッサージといっても、街の格安マッサージ店から一軒家スパのような高級店まで幅広く、お店や施術時間によってチップの料金も異なります。
僕がマッサージを受けた場合に払うチップの相場は以下のとおりです。
街のマッサージ店(1時間200〜500Bくらいのお店):チップ50B/時間
中〜高級店(1時間500B以上のお店):チップ100B/時間
あくまでチップなので満足していなければ払う必要はないかもしれませんが、僕は必ずしも満足していなくても不快ではなかった場合には払うようにしています。
行きつけのお店でいつも担当してくれるマッサージ師さんであれば、1時間でも2時間でも100B払っています。
マッサージ師さんの給料はチップを見込んでの設定になっていますので、チップがもらえないと死活問題です。
しっかりと気持ちいいマッサージをしてもらうためには、「このお客さんはちゃんとチップを払ってくれる人だ」と認識してもらっていることも大切だと思いますので、お気に入りのお店やマッサージ師さんに出会ったら、そこに通うようにしています。
バンコクのおすすめのマッサージ店については、また改めて記事にしますね。
ホテル
世界中の多くの国でホテルではチップを払うことが多いと思いますが、タイでも同様です。
欧米のようにチップ制度が確立されているわけではありませんので、払うか払わないかは自由ですが、快適に利用するためにも最低限枕銭だけでも払ったほうがいいでしょう。
ホテルも格安から5つ星の高級ホテルまでピンきりですが、チップ相場の目安は以下のとおりです。
【ベッドメイキング】
低価格〜中級ホテル:50B
3,000B前後(1万円前後):50〜100B
5,000B以上(1万5,000円以上):100B〜
格安のゲストハウスやホステルでベッドメイキングを行わない場合は、チップを払う必要はありません。
プールヴィラなどの大きな部屋に連泊する場合はチェックアウトのときにまとめて1,000B程度をチップとして払うときもあります。
5つ星ホテルであれば大丈夫だとは思いますが、格安〜中価格程度のホテルの場合、ベッドメイキングのチップをケチると、掃除が適当だったり、最悪腹いせに盗難にあったりすることも考えられますので、最低限のチップだけでも枕元に置いておくようにしましょう。
【ポーター】
低価格〜中級ホテル:20B
3,000B以下(1万円以下):20〜50B
5,000B以下(1万5,000円以下):50〜100B
荷物を部屋まで運んでくれるポーターに関しては、僕は5,000B以上の高級ホテル以外では払わないことが多いですね。
タイ国内旅行であれば、そもそも運んでもらうほどの荷物がないというのが理由です。もちろんトランクなど大きな荷物があるときは上記の額を払うようにしています。
レストラン
タイでチップを払う場所として、我々日本人が一番慣れないのがレストランではないでしょうか。
日本のレストランではチップを払うことはありませんので、なかなか相場観が分かりづらいですよね。
タイに初めて訪れる場合、屋台や食堂でもチップが必要なのかと思う人も少なからずいらっしゃるかもしれませんが、原則として冷房のある屋内のレストラン以外ではチップの必要はありません。もちろんデパートのフードコートでも不要です。
高級リゾートではオンザビーチのレストランで食事をするときがありますが、その場合はチップを払ったほうがいいでしょう。
レストランでのチップの相場は以下のとおりです。
レストランでのチップ:会計の5〜10%
会計にサービス料が含まれている場合は、チップの必要はありません。
最近では多くのレストランが10%程度のサービス料を徴収しますので、チップを払わない場合のほうが多いです。ただその場合でも、お釣りの小銭は置いてくるようにしています。
またクレジットカードで支払った場合はサービス料の徴収がなくても、チップを払わないことも多いですね。
本当に美味しくて満足したときはクレジットカードで支払った場合でも、チップだけ現金で置いてくることもありますし、接客が素晴らしければ、その店員さんに直接チップを払うこともあります。
バー、ナイトクラブ
ナイトライフのエンターテイメントが充実していることもタイの魅力ですよね。ここで言うバーやナイトクラブは女性(または男性)による接客を伴うお店を指します。
日本で言えば、高級クラブやキャバクラ、ホストクラブ、ガールズバーのような業態のお店です。
バー、ナイトクラブでのチップ:100B〜
バーやナイトクラブでは接客を担当してくれたスタッフに100B〜チップを払うことが一般的です。高級店であればチップだけで500B、1,000Bを払う人もいます。
ママさんがいるようなお店であれば、特に接客を受けてなくてもママさんにも100B程度のチップを払うことが多いです。
このようなお店に行くときはお金を使うことも目的の1つになっていると思いますので、ケチらずに気前よく払うほうが楽しめると思いますが、ボッタクリだけは要注意。
特にゴーゴーバーはボッタクリ店も多いので、事前にググるなりして、ボッタクリ店を避けるようにしてください。
タクシー
タクシーではお釣りの端数(小銭)をチップとして払うことが多いです。チップを払うというより、小銭を受け取らないということですね。
もちろん、会計料金をきっちり支払うことに何の問題もありません。
タイのメータータクシーは初乗り35Bで、以降2Bずつ加算されていきます。僕は5B以下のお釣りがある場合は、受け取らないことがほとんどです。
100B以下の乗車料金なら100Bを支払いお釣りは受け取らないという人もいます。100Bでも日本に比べから格安ですよね。
タクシーはお釣りを用意していないことも多いので、乗車する場合は500B、1,000Bではなく、20B、50B、100Bのお札を用意しておくといいでしょう。
最近ではタクシーよりもGRABを利用することが多いですが、GRABでもドライバーにチップを払うことができるようになっています。
GRABについては以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:タイ生活の必須アプリ「GRAB(グラブ)」を徹底解説!
ゴルフ場
ゴルフを目的にタイを訪れる人も多いと思いますが、タイのゴルフ場ではプレイヤー一人にキャディさんが一人に付きます。
キャディさんへのチップはキャディフィーと同額が目安なので、以下のとおりとなります。
キャディさんへのチップ:350〜500B
キャディさんの給料はマッサージ師と同じようにチップを前提としたものなので、チップがもらえないと死活問題です。
キャディフィーのほかに必ずチップも払うようにしましょう。
その他
最後は必ずしもチップを払う必要はないけど、払っている人も多いケースです。
ツアーガイド:ガイド内容に満足した場合
美容室:シャンプー担当のスタッフ
アユタヤ遺跡などの有名観光地では、ガイドをするからと近寄ってきて、頼んでもないのに高額な料金を請求してくる輩がいますが、ここで言うツアーガイドはそういったボッタクリまがいのガイドではなく、自分が参加したツアーのガイドさんのことです。
優良な旅行会社が主催するツアーでは、ツアーの最後にガイドがチップを要求してくることはほとんどありません。旅行会社によってはチップを払わないでくださいと言われる場合もありますが、欧米人を見ていると、満足行くツアーの場合、最後にチップを払っている人が多い印象です。
彼らはチップ文化で生きているので当たり前なのかもしれませんが、500B、1000Bのチップを払う人がいたのには驚きました。
美容室に関しては、僕は行きつけのお店でシャンプーを担当してくれたスタッフに、最後の会計時に50Bのチップを渡しています。
美容室の経営者に聞くと、チップを払う人のほうが少ないようなので、美容室でのチップは気にすることはないでしょう。
まとめ
以上、タイのチップ事情について僕の経験をもとにお話をさせていただきました。
タイに来たことがない人や来たばかりの人にとっては、こんなにあるのかと思うかもしれませんが、すぐに慣れるのでご心配なく。
あとは数十年前の感覚でマッサージ店で20Bのチップを渡す人もいると聞きますが、今どき20Bでは屋台の一食分にもなりません。
日本とは違いタイの物価は年々上昇していますので、チップの相場感も10年に一度くらいはアップデートしていく必要がありそうですね。
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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