移住前に要確認!タイの季節(暑季・雨季・乾季)の特徴と注意点を徹底解説!

タイは常夏の国と言われるため、一年中真夏だと思う人も多いのではないでしょうか。英語でタイの3つの季節を表現する「Hot, Hotter, Hottest」というジョークがあるとおり、確かに日本に比べれば一年を通して暑いのは間違いありません。

正確にはタイの季節は、暑季・雨季・乾季に分かれており、訪れる季節によってタイの印象は大きく異なるでしょう。

乾季にしか訪れたことがなければ、「なんて過ごしやすい国なんだ!」と思うでしょうし、

雨季にしか訪れたことがなければ、「雨が多くて湿度も高いし、これなら四季のある日本のほうがいいな」と思うことでしょう。

もしあなたが乾季にしかタイを訪れたことがなくて移住を検討しているのであれば、一度、暑季と雨季にも訪れてみることをおすすめします。

今回はその理由含め、タイの季節(暑季・雨季・乾季)の特徴と注意点を解説していきます。

タイの気候・季節

タイはインドシナ半島の中央部とマレー半島の北部に位置し、大きく北部、東北部、中部、東部、南部の5つの地域に分かれています。移住先として人気の各都市で言うと、バンコクは中部、チェンマイは北部、プーケットは南部、パタヤは東部です。

タイには暑季・雨季・乾季があると言いましたが、実は地域によって季節は異なります。

国土の大部分(南部のマレー半島東岸を除く)は雨季と乾季が明確に分かれるサバナ気候に属し、季節は暑季(3月~5月)、雨季(6月~10月)、乾季(11月〜2月)に分けられます。

南部のマレー半島東岸(タイ湾側)は熱帯モンスーン気候に属し、他の地域が乾季である10月〜1月が雨季。わずかな乾季にも雨が降るため、年間を通じて雨が多く、また他地域ほど寒暖の差もないという特徴があります。

マレー半島東岸の人気観光地ナンユアン島

南部のマレー半島東岸で日本人にも知られている観光地は、ハジャイ(ソンクラー県)、サムイ島、パンガン島、タオ島が挙げられますが、もしこれらの地域に移住やロングステイを検討している方は、季節がバンコクなど他地域とは異なるということを念頭に置いておきましょう。

日本の夏休み(7、8、9月)にタイのビーチリゾートに旅行に行きたいという場合は、雨季であるマレー半島西岸(プーケット、ピピ島、クラビ等)ではなく、雨が少ない時期であるマレー半島東岸(サムイ島、パンガン島、タオ島)がおすすめです。

当ブログの読者の多くは、バンコクやパタヤなどマレー半島東岸以外の地域への移住を検討中の方が大半だと思いますので、以降はバンコクのお話をメインに進めていきますね。

続いては、暑季、雨季、乾季のそれぞれの特徴と注意点についてまとめてみます。

暑季の特徴と注意点

一年で一番暑い暑季となる3月〜5月。直射日光は東京の真夏よりも遥かに強烈で、日傘なしでは5分歩くのも大変です。

日本では真夏でも屋外を長時間歩くことはあると思いますが、タイではほとんどありません。暑季に出歩く際には帽子の着用や水分・塩分の補給など熱中症対策と日焼け止めクリーム、長袖着用など日焼け対策をお忘れなく。

タイは幸いタクシーやバイクタクシーなど、格安で移動できる交通手段も多いので、この時期は積極的に利用しましょう。

そんな過酷な暑季ですが、唯一の楽しみがタイ正月のソンクラーン。タイは毎年4月13日〜15日の正月三が日にあたり、タイ各地では酷暑を吹き飛ばすように水かけ祭りが行われます。特にバンコクは水かけ祭りの規模も大きく、この三日間は誰に水をかけられても文句は言えません。

無防備で家を出たら水をかけられ、スマホやカメラがずぶ濡れになってしまうこともしばしばありますので、水に濡れたくない方は注意が必要です。

ソンクラーンは日本で言えばお盆と正月が同時に来たようなもの。タイ人の多くは長期休暇を取って帰省したり、旅行に出かけたりします。

旅行のハイシーズンに当たるため、タイ発着の航空券やホテル料金もこの期間は高騰。もし4月にタイを訪れる予定の方でコストを重視するのであれば、ソンクラーン以降(おおよそ4月20日以降)をおすすめします。

雨季の特徴と注意点

雨季は6月〜10月ですが、雨季と言っても日本の梅雨のように毎日朝から晩までシトシトと雨が降り続くわけではなく、30分から1時間程度で止むスコールが基本です。

それでもここ数年は、一日中どんより曇り空で雨が降ったり止んだりする日もあれば、一晩中雨が降り続く日もあり、サッとスコールが降って終わり!というパターンが少なくなっているような気がします。

雨量は月によって異なります。雨季のはじまりの6月と終盤の9月〜10月の雨量が多く、毎年9月、10月はタイ各地で洪水が発生します。2011年には未曾有の大洪水によりバンコクも大きな被害を受けました。

僕は2011年4月に移住してきたのですが、移住後わずか半年足らずで大洪水を目の当たりにし、「これはとんでもない国に来てしまったぞ」と思ったことを覚えています。(笑)

今年も2011年の大洪水の再来か?と言われるほど、大規模な洪水がタイ各地で発生。バンコクのすぐ北に位置するノンタブリー県やパトゥンタニー県、アユタヤー県などでは浸水などの被害が起きており、日系企業にも少なからず影響が出ています。

また都心部でもチャオプラヤー川沿いの地域では川から溢れた水で道路や商店が冠水するなど、執筆時点(2021年10月)では決して安心はできない状況です。

洪水とまではいかなくとも、雨季にスコールや長雨が続くと道路がたちまち冠水し、立ち往生してしまうことも少なくありません。

特に自分で車を運転しているときに冠水に遭遇した場合は注意が必要です。エンストしてしまう車を見かけることも多く、冠水時にはおとなしく水が引くまで運転は避けたほうがいいでしょう。

万が一エンストしてしまい、自分ではどうしようもできない場合は、下記の日系レッカー会社に連絡することをおすすめします。

社名:MARUYAMA CO., LTD.

公式HP:http://maruyama7777.com/ja/japanese/

またタイで家を借りる際には、雨季に自宅前の道路が冠水するかどうかを確認しておいたほうがいいでしょう。

スクンビット通り沿いでも、ソイ23、27、39あたりはすぐに冠水することで有名です。

築年数が古い物件などでは雨季になると部屋の湿度が上がり、カビが発生してしまうことも多々あります。

雨季のスコール時には移動にも要注意です。

ただでさえ渋滞が多発するバンコクで大雨が降ると、瞬時に交通が麻痺します。大通りが冠水した日には目も当てられません。

雨季に遅刻できない予定があるときは、スコールが来ることを想定して普段よりも余裕を持って行動するようにしましょう。

乾季の特徴と注意点

プーケット

乾季は11月〜2月ですが、これまでお伝えしたとおり、過酷な暑季と長く続いた雨季が明けるということで、乾季はまさに“歓喜”なのです。

10月頃になると少しずつ気温も下がり、乾季の訪れを感じる日々になります。この記事を書いている今がまさにそんな状況です。

毎年タイの気象庁が雨季明けを知らせてくれますが、ハッキリと体感できるほど一気に空気が乾燥し、朝晩の気温もガクンと下がります。

年末に近づくにつれ、最低気温がドンドン下がり、バンコクでも15℃程度になることも珍しくありません。北海道の夏のような気候で実に快適です。

年にもよりますが長いときは2月くらいまで涼しい気候は続き、その間は雨の存在を完全に忘れるほどまったく降りません。

チェンライ

乾季は観光もベストシーズンを迎えます。海も山も街歩きも、何をするにも最高の気候です。

航空券やホテル料金は10月〜5月がハイシーズン料金になりますが、特に高級ホテルでは大晦日にガラディナーという高額なディナーへの参加が強制される場合が多く、想定外の出費になるケースもありますので予約時には注意が必要です。(コロナ禍でガラディナーを中止しているホテルも多いです)

タイの乾季はその快適さを体験したら離れられないほど魅力的な季節なのですが、それも過去のものになってしまうかも知れません。

その理由は大気汚染、PM2.5です。

乾季とともに憎きPM2.5もやって来るのです。

PM2.5で曇ったバンコク都心部

12月頃から中部、東北部、北部を中心に大気汚染が悪化し、PM2.5の数値が高い日は外が真っ白で数十メートル先が見えなくなることもありますし、外出にはN95のマスクが欠かせません。学校が休校になることも多々あります。

チェンマイでは2月以降、山岳地帯での焼畑がはじまり、状況はさらに悪化。PM2.5の数値が500を超えることも珍しくなく、北方のバラと呼ばれた美しい古都は世界最悪の大気汚染都市へと姿を変えます。

チェンマイには世界中からデジタノマドが集まりますが、彼らも2月になると大気汚染の影響が少ない南部へと避難するほどです。

焼畑が行われる3月のタイ各地の大気汚染の状況

僕が移住した10年前はバンコクではPM2.5による大気汚染はほとんどありませんでしたが、ここ4〜5年で急速に大気汚染が悪化しているのが気になります。

ここ数年で乾季=PM2.5になりつつあり、昔のように手放しに乾季の訪れを喜べなくなったのが残念です。

それでも東部のパタヤや南部のプーケットといった海沿いの街はPM2.5の影響は少なく、乾季だけ海沿いの地域に避難するという生活を送る人もいます。

僕も来年にはそんな生活を実現しようと計画中です。

短期旅行でしかタイに来たことがなく、乾季の大気汚染を体験したことがない方は、本格移住前に一度、乾季に訪れてみることをおすすめします。

特に気管支が弱い方にとっては耐えられないレベルの日もあると思いますので、くれぐれもご注意下さい。

まとめ

以上、タイの季節(暑季・雨季・乾季)の特徴と注意点について僕なりの考えをまとめてみました。

乾季はPM2.5の影響がありますが、それでも晴れた日の爽快さはすべてを帳消しにするほど素晴らしいものです。

雨季のスコールも移動は大変になりますが、「自分は熱帯の国に暮らしているんだなぁ」と異国情緒に浸れます。

暑季の暑さは如何ともし難いですが、ソンクラーンの国全体がソワソワ、ウキウキとした雰囲気は、日本ではなかなか味わえないものです。

それぞれの季節に長所短所がありますが、いつ来てもタイは素晴らしい体験ができる国であることに間違いはありません。ぜひ一度、長期滞在をしてみてくださいね。

筆者紹介

明石直哉

2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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