今回は、“バンコクの日本人街”と呼ばれるスクンビットについて解説していきます。
タイ・バンコクへの移住を検討し、現地の情報収集を進めていく中でよく目にするのが、「スクンビット」という地名ではないでしょうか。
スクンビットについては、第1回目の記事 【バンコク移住】日本人が暮らしやすい5つのエリアを解説!で大まかに解説させていただきましたが、初めてバンコクで暮らす方に最もおすすめのエリアです。
今回はそんなスクンビットについて深堀り解説していきます。
なぜスクンビットは日本人街になったのか?
そもそもなぜスクンビットが日本人街になったのでしょうか?
まずはその歴史を紐解いてみましょう。
バンコクの都市開発は王宮やワット・ポーなどがあるラッタナーコーシン島からはじまり、中華街ヤワラート、ジャルンクルン通り、シーロム・サトーン通り、ラマ4世通り、スクンビット通りというように東へ、東へと発展拡大してきました。
その中でスクンビットはシーロムやサトーンに暮らす貴族のお屋敷街として開発されてきた歴史があります。
今でもスクンビット通りのソイを奥に入っていくと、たくさんの瀟洒なお屋敷を見ることができ、その歴史を肌で感じることができます。
1970年代以降の高度経済成長、バブル経済の勢いに乗り、タイには多くの日系企業が進出しました。
当時は今のように外国人駐在員向けのコンドミニアムは多くなく、高級住宅街だったスクンビット地区の邸宅に住む日本人駐在員も多かったと聞きます。
急増する日本人をはじめとした外国人駐在員を目当てに、スクンビット地区では急ピッチでアパートやコンドミニアムが開発されていきました。
その当時、日本人学校があったのはBTSプルンチット駅前のルアムルディ通り。
1982年に日本人学校がエカマイの北に移転したため、そこからアクセスのいいスクンビット奇数(北)側に住宅の開発が集中。
日本人学校の送迎バスが対応する範囲が、BTSナナ駅〜エカマイ駅間のスクンビット通り沿いに限定されたため、このエリアを区別しやすいように日本人はスクンビットと呼ぶようになりました。
こうしてスクンビットは日本人街として認識されるようになっていったのです。
スクンビットってどこ?
スクンビットとは、バンコク都心から東へ伸びるスクンビット通り沿いのエリアを指します。スクンビット通りの頭上にはBTSスカイトレイン(高架鉄道)のスクンビット線が走り、我々バンコク在住日本人がスクンビットと言うときは、BTSの駅でナナ駅、アソーク駅、プロンポン駅、トンロー駅、エカマイ駅までの区間を指すことが一般的です。
最近ではエカマイ駅から先のプラカノン駅、オンヌット駅も開発が進み、たくさんの日本人が住むようになっていますが、ここではナナ駅〜エカマイ駅までのエリアをスクンビットとして話を進めます。
ソイって何?
スクンビットについて調べていると、住所表記で、「スクンビット・ソイ39」や「スクンビット・ソイ24」というように、ソイという言葉をよく目にします。
タイ語では大通りのことを、「タノン(Thanon)」といい、タノンから伸びる小さな通りを、「ソイ(Soi)」といいます。
つまり、「スクンビット・ソイ39」とは、スクンビット通り(タノン)から伸びる39番目のソイという意味です。
ソイは1から順番に振られていますが、もう1つだけ法則があります。それは、ソイの番号は通りの左右で偶数・奇数に分かれているということです。
スクンビット通りを1から下っていくと、左手が奇数、右手が偶数となります。
面白いことにスクンビットに関しては、偶数側より奇数側のほうが人気があり、住宅や商業施設の数も奇数側のほうが多いのです。
タクシーなどで行き先を伝えるときは、まず「スクンビット・ソイ39」というように通りとソイの番号を伝え、ソイ39に着いてから詳しい場所を説明します。
通りの名前とソイの番号だけでだいたいの住所が分かるので、すぐに土地勘を得られるでしょう。
スクンビットの5つのエリアを解説
スクンビットとはナナ駅、アソーク駅、プロンポン駅、トンロー駅、エカマイ駅という5つの駅周辺を指しますが、ソイの番号では以下の範囲になります。
ナナ
奇数側:ソイ1〜13
偶数側:ソイ2〜10
アソーク
奇数側:ソイ15〜29
偶数側:ソイ12〜20
プロンポン
奇数側:ソイ31〜47
偶数側:ソイ22〜30
トンロー
奇数側:ソイ49〜59
偶数側:ソイ32〜40
エカマイ
奇数側:ソイ61〜65
偶数側:ソイ42〜42/1
この範囲に関してはそう定まっているのではなく、あくまで私見です。だいたいの感覚は皆似たようなものだと思いますが、境界線をどのソイにするかは個人によって異なるかもしれません。
5つのエリアの特徴を一言で表すと、以下のような感じでしょうか。
・ナナ:歓楽街、アラブ人街、韓国人街が同居するエキゾチックタウン
・アソーク:ビジネスと観光の新たな拠点
・プロンポン:日本人に一番人気。便利過ぎるプロンポン
・トンロー:駐在員とタイ人富裕層の街
・エカマイ:カフェとパブと高級住宅街
それではこの5つのエリアを各駅ごとに解説していきましょう。
長くなりますので今回はナナ、アソーク編、次回はプロンポン、トンロー、エカマイ編と2回に分けてお届けします。
ナナ 〜歓楽街、アラブ人街、韓国人街が同居するエキゾチックタウン〜
ナナはBTSナナ駅を中心としたエリアで、おおまかに分類すると駅の西側がアラブ人街、東側がインド人、韓国人、欧米人という特色のある街です。
1982年まではナナの隣駅であるプルンチット駅前にバンコク日本人学校があったことから、ナナに暮らす日本人も多かったと聞いていますが、現在ではスクンビットの中では最も日本人が少ないエリアでしょう。
ナナは街の全域にバーやパブ、風俗店、娼婦が存在するバンコク有数の歓楽街でもあります。男性の単身者なら気にならないかもしれませんが、ご家族で移住する方には正直あまりおすすめできる環境ではありません。
歓楽街、アラブ人街、韓国人街が同居するエキゾチックタウンと評しましたが、ナナはバンコクでも指折りのカオスな街なのです。
在住の外国人も少なくはありませんが、圧倒的に観光客の割合が多かった街。
コロナ禍において、観光客に依存していたアラブ人街や歓楽街はほぼ壊滅し、ゴーストタウンと化してしまいました。
コリアンタウンには韓国料理店が十数軒入居しており、韓国ブームの中、毎日賑わっています。現在、ナナエリアで唯一といっていい活気がある場所です。
ナナの住環境
新築・築浅の物件もありますが、築年数の古い高層物件が多い印象です。
築年数が古いと言っても、駐在員向けに開発された物件なので、広い間取りで管理状態のいいものが多く、スクンビットのほかのエリアよりも若干割安に借りることができます。
家賃相場
単身向けの1ベッドルーム:6万円前後〜
夫婦向けの1ベッドルーム:8万円前後〜
家族向けの2ベッドルーム以上:13万円前後〜
・ショッピングモール:なし
・スーパーマーケット:フードランド(ソイ5)、ヴィラマーケット(ソイ11)
・飲食店:日本食は少ないが、洋食、韓国、インド、アラブは豊富
・日本語対応病院:タイでNo.1との呼び声が高い「バムルンラード病院」(ソイ1〜3)
・公園:なし
・コワーキングスペース:少ない
僕は7年前にソイ11に住んでいましたが、当時は格安の日本食レストランもあり、外食に不自由することはありませんでした。今ではそのお店もなくなってしまい、日本食レストランは数えるほどしかありません。
観光客が多いエリアなので、優良なタクシーを捕まえるのに苦労したことを覚えています。
ナナは東京で言えば歌舞伎町や六本木のような街。そのような環境が好みの方はナナに暮らすのもいいかもしれません。
僕もナナに住んでいたときは毎晩刺激的で楽しかったですが、さすがにもうお腹いっぱいです。(笑)
アソーク 〜ビジネスと観光の新たな拠点〜
アソークはBTSアソーク駅、MRTスクンビット駅、アソーク通り(スクンビット・ソイ21)を中心としたエリアで、バンコク都心の交通の要所でもあります。
駅前とアソーク通り沿いには高層のオフィスビル、ホテル、コンドミニアムが立ち並び、ビジネスと観光の新たな拠点として開発が進んできました。
たくさんの日系企業がオフィスを構え、日本人サラリーマンの姿もよく目にします。
駅前には観光客に有名な歓楽街「ソイ・カウボーイ」があり、夜の街としての一面も持ち合わせていますが、ナナほどの猥雑さはありません。
スクンビット通り沿いは観光客目当ての店が多く、賑やかな雰囲気ですが、スクンビット通りから離れると外国人向けの閑静な住宅街が広がっています。
アソークの住環境
BTSとMRTの2路線が利用できることが、アソークの大きなアドバンテージです。中華街や三大寺院、チャトチャックウィークエンドマーケットなどの観光地にもMRTスクンビット駅から乗換なしで一本。
僕もアソークに2年ほど住んでいますが、どこにでも一本で行ける利便性の高さはスクンビットでも群を抜いていると思います。
住宅に関してもプロンポン、トンローほどではありませんが、新築・築浅のタワマンから築古の物件まで選択肢が豊富です。
BTSアソーク駅の南側にはベンジャキディ公園という大きな公園があること魅力の一つ。
ベンジャキディ公園からルンピニー公園まで続く遊歩道もあり、屋外で運動できる環境を重視する方にもアソークはおすすめです。
家賃相場
単身向けの1ベッドルーム:8万円前後〜
夫婦向けの1ベッドルーム:12万円前後〜
家族向けの2ベッドルーム以上:16万円前後〜
・ショッピングモール:ターミナル21(駅直結)、ロビンソン(ソイ19)、ジャスミン(ソイ23)
・スーパーマーケット:トップス(ロビンソン内)、グルメマーケット(ターミナル21内)、マックスバリュ(ジャスミン内)
・飲食店:日本食、洋食、中華、韓国、インド、タイなど豊富
・日本語対応病院:病院はないが、日本語対応の薬局「ブレズ薬局」と内科院「ブレズクリニック」がある
・公園:ベンジャキディ公園
・コワーキングスペース:あり
アソークは、オフィス街と歓楽街、住宅街が同居する東京で言えば新宿のような街。特におすすめのソイは、ソイ23です。
ソイ23のスクンビット通り沿いにはソイ・カウボーイやバーがあり、酔客も多く騒がしいので快適な住環境とは言い難いですが、ソイの奥のほうは高層のアパートやコンドミニアムが立ち並び、日本人家族もたくさん住んでいます。
プロンポン方面にはスクンビット通りに出なくても裏道から抜けることができますので、渋滞を回避できるメリットもあります。
都市鉄道の利便性を優先したい方にはアソークがイチオシです。
まとめ
以上、バンコクの日本人街「スクンビット」。第1回ナナ、アソーク編をお届けしました。ナナ、アソークのどちらにも住んだことがありますが、どうしてもナナがいいという理由がなければ、アソークに住むことをおすすめします。
BTS、MRTの2路線が使える利便性はスクンビット随一。スクンビット通り付近やアソーク通り沿いを外せば、騒音も気になりません。
次回は、プロンポン、トンロー、エカマイ編をお届けします。お楽しみに!
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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