タイランドエリートビザを使ってタイでリモートワークをするために知っておくべきこと
コロナ禍を経て、勤務先の会社でリモートワークが根付いたという方も多いと思います。実際に日本国内の企業に籍を置きながら、タイでリモートワークしているという方にたくさん出会いました。
タイでリモートワークをするためには、長期滞在ビザが必要になります。長期滞在向けのビザはいくつかありますが、一番のおすすめはタイランドエリートビザです。
今回はタイでのリモートワークを検討中の方に向けて、タイのリモートワーク環境と必要なビザについて解説します。
タイでのリモートワークに最適なビザ
タイは日本人であればビザ無しで30日間、さらにタイ国内のイミグレーションで30日間の滞在延長ができ、合計60日間滞在できます。
出入国を繰り返す、いわゆるビザランを行うことで滞在日数を60日以上にすることが可能ですが、ビザなしでの滞在は年間最大180日以内と定められています。
長期滞在向けの2つのビザ
1年を通してタイに滞在し、リモートワークをしたい方にとって、ビザの選択肢は2つ。
50歳以上:リタイアメントビザ or タイランドエリートビザ
50歳未満:タイランドエリートビザ
あなたが50歳以上であれば、リタイアメントビザが取得可能です。
50歳未満であれば、タイランドエリート一択というのが現状です。
「ちょっと待って、観光ビザがあるのでは?」、と思われるかもしれませんが、観光ビザで滞在できる日数は最大90日。それ以上の滞在を望むなら再度、タイ国外で観光ビザを取得し、再入国する必要があります。
観光メインの滞在であれば、それでもいいかもしれませんが、仕事が目的のリモートワークであれば、90日毎に出入国を繰り返すのは煩わしいと感じるはずです。
常に滞在期限を気にしながら日々を過ごすのは、意外とストレスがかかります。万が一、滞在期限を過ぎてしまえば、オーバーステイで罰金。さらに以降の入国時の審査やビザ取得が難しくなってしまいます。
タイランドエリートビザは、滞在期間が5〜20年の長期滞在向けのビザなので、年に何度も出入国を繰り返す必要はありません。
滞在期限を気にせず、仕事に集中できる環境を求めるのであれば、ビザはタイランドエリートを強くおすすめします。
タイランドエリートビザが一番いいのはわかった。気になるのはその料金ですよね。
それではタイランドエリートビザの取得にはいくらかかるのか?取得費用を見ていきましょう。
タイランドエリートビザっていくらかかるの?
タイランドエリートは現在、プログラム改定の端境期にあり、現行のメンバーシップ料金は2023年9月15日まで、9月16日以降は新メンバーシップ料金に移行します。
現行のメンバーシップは全8種類あり、滞在期間は5〜20年、それぞれ特典が異なります。
8種類の中で日本人に人気のメンバーシップは以下の2つ。
ゴールド
最もお手軽なメンバーシップです。
会員期間:5年間
入会金:90万B(約360万円)
年会費:なし
ポイント:年間20ポイント
プラチナ
10年のメンバーシップ
会員期間:10年間
入会金:150万B(約600万円)
年会費:なし
ポイント:年間35ポイント
ダイアモンド
15年のメンバーシップ
会員期間:15年
入会金:250万B(約1000万円)
年会費:なし
ポイント:年間55ポイント
ポイントはリムジン、ゴルフ、スパなど様々な特典に交換可能。
タイのリモートワーク環境ってどうなの?
続いて、タイでのリモートワーク環境についてご紹介しましょう。タイは全国津々浦々、通信環境が整備されています。ネットが繋がらない場所はよほどの辺境に行かない限りないと言えるでしょう。
リモートワークにおすすめの環境
リモートワークで仕事をする場所としては以下が挙げられるでしょうか。
- 自宅
- コワーキングスペース
- カフェ
- ホテル
Wi-Fiの通信速度の安定性で言えば、以下の順になるでしょう。
- コワーキングスペース
- 自宅
- カフェ
- ホテル
カフェとホテルは場所によりますので、もちろん一概にホテルが遅いとは言えないのですが、
残念ながらタイのホテルはお世辞にもWi-Fiが安定しているとは言えません。特に古いホテルであればなおさらです。
長期滞在であれば、Airbnbでコンドミニアムを借りる人が多いと思いますが、Wi-Fi速度もホテルよりコンドミニアムのほうが期待できます。
Wi-Fiの安定性、集中できる環境という観点では、コワーキングスペースがおすすめです。
最近の新築物件では、コンドミニアムにコワーキングスペースが付いているものも珍しくなく、もちろん無料で利用できます。
コワーキングスペースは月額5000B程度〜が多いので、それが節約できるのは大きいですよね。
カフェでの作業も1〜2時間程度であればいいかもしれませんが、トイレに行く際にノートPCをどうするのか、という問題がつきまといます。
日本ではPCやバッグを置きっぱなしにして、トイレに行っても盗難の心配はないと思いますが、タイでは用心するにこしたことはありません。
またZOOMなどのオンラインMTGもカフェで行うと、会話が筒抜けになるというリスクがあります。
コワーキングスペースであれば、オンラインMTG用のボックスがあることがほとんどなので、その心配はありません。
タイで長期滞在する場合の住居は?
リモートワークでタイに長期滞在する場合、住居の選択肢は以下の4つがあります。
コンドミニアム
日本で言う分譲賃貸マンション。家賃は低・中・高と幅広い。ジムやプールなどの設備はアパートより豪華。
アパート
1棟を1社が管理。家賃は低価格か高価格のどちらか。
サービスアパート
キッチンや洗濯機、掃除やリネン交換などのサービスが付いたホテルライクなアパート。家賃は高め。
ホテル
キッチンや洗濯機が付いていることは稀。価格は低〜高まで幅広い選択肢があるが、長期よりも短期滞在におすすめ。
この中で最も安く滞在する方法は、コンドミニアムかアパートを年間契約すること。
ホテルとサービスアパートも年間契約ができますが、家賃はほかの2つよりも高額になることがほとんどです。
長期滞在なら不動産会社の仲介がおすすめ
コンドミニアムとアパートを年間契約するのであれば、不動産会社経由で入居することをおすすめします。その理由は、以下の2つ。
- もし大家とトラブルになった場合でも、不動産会社の担当者が仲裁してくれる。
- Airbnbよりも安い。
短期賃貸ならAirbnbかサービスアパートがおすすめ
いきなり年間契約はちょっとハードルが高いなという場合は、Airbnbでコンドミニアムを短期賃貸するか、サービスアパートがおすすめです。
- ホテルとサービスアパートの違い:キッチンや洗濯機の有無。
- アパートとサービスアパートの違い:掃除やリネン交換などのサービスの有無。
僕も最近では旅行でもホテルよりサービスアパートに泊まることが多くなりました。1〜2泊であればホテルでもいいのですが、3泊以上の滞在になると、キッチンや洗濯機があると助かるんですよね。
円安でタイの物価も安くないと感じる場面が増えましたが、家賃はまだまだ破格という状況です。
サービスアパートもいいですが、一度はコスパ最高なタイのコンドミニアムに住んでみてほしいですね。
不法就労にならないために知っておくべきこと
リモートワークでタイに滞在する人が注意すべきことは、うっかり不法就労をしないということです。
タイ国内で収入を得るためには、ノンイミグラントBビザ(通称:ビジネスビザ)と労働許可証(ワークパーミット)が必要です。
Bビザと労働許可証なしにタイで収入を得てしまうと、不法就労に該当します。原則、タイランドエリートビザでは労働許可証は取得できません。
収入がタイ国外からであれば、リモートワークやデジタルノマドとしてタイで仕事をしても、現状では不法就労に当たりません。
タイ国内の企業と取引をしたり、タイで何かしらの収入を得たりしてしまうと、不法就労に該当します。
デジタルノマドは不法就労にならないために
例えば、デジタルノマドとして滞在しているウェブデザイナーが、タイの企業や個人から仕事を受けてしまうと、不法就労になります。
またブロガーやYouTuberが、案件でタイの企業から金銭や物品の提供を受けることもNGです。
タイでも仕事を受けたい、収入を得たいという場合は、必ずBビザと労働許可証が必要です。タイ現地の企業に所属するか、ご自身で会社を設立するかの二択になります。
不法就労をした外国人には、最大5万B(約20万円)の罰金と国外追放処分が課せられますので、くれぐれもご注意ください。
まとめ
タイでのリモートワーク環境と必要なビザについて解説させていただきました。
僕自身、バンコクに限らずタイ各地でリモートワークをしてきましたが、不便に感じることは一度もありませんでした。
バンコクに飽きたら、ぜひ北部チェンマイやビーチリゾートのプーケット、パタヤでのリモートワークもぜひ体験してほしいですね。
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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