みなさん、はじめまして。バンコク在住の明石(あかし)と申します。
僕は2011年に東京からタイ・バンコクに移住し、現在は会社経営者、写真家という二足のわらじで活動中です。
このブログではタイ移住を検討しているあなたに向けて、バンコク在住10年の経験から移住前後に知っておくべき情報を発信していきます。
第1回目となる今回のテーマはズバリ!
「バンコクで日本人が暮らしやすい5つのエリア」について解説します。
この記事を読めば、バンコク都心の各エリアの特徴が大まかに理解できますので、タイ移住を検討中の方はぜひお読みください!
バンコクで日本人が暮らしやすい5つのエリア
バンコクで日本人が暮らしやすいエリアは大きく下記5つに分けられます。
・スクンビット
・プラカノン、オンヌット、
・ウドムスック、バンナー
・プルンチット、チットロム
・シーロム、サトーン
・ラチャダー
バンコクに何度も旅行で来られている方なら地名を見てピンと来るかもしれませんが、今回は一度もバンコクに来たことがない方のため、順を追って解説していきましょう。
ちなみにこの記事は、7,000文字超の長文です。
記事の最後に各エリアの特徴を一言でまとめていますの、結論だけ読みたいという方は、記事の最終章をお読みください。
世界有数の邦人社会が存在するスクンビット
まずはバンコクで日本人が最も多く暮らし、バンコクの日本人街とも呼ばれるスクンビットから。
スクンビットとは、バンコク都心から東へ伸びるスクンビット通り沿いのエリアを指します。スクンビット通りの頭上にはBTSスカイトレイン(高架鉄道)のスクンビット線が走り、我々バンコク在住日本人がスクンビットと言うときは、BTSの駅でナナ駅、アソーク駅、プロンポン駅、トンロー駅、エカマイ駅までの区間を指すことが一般的です。
最近ではエカマイ駅から先のプラカノン駅、オンヌット駅も開発が進み、たくさんの日本人が住むようになっていますが、ここではナナ駅〜エカマイ駅までのエリアをスクンビットとして話を進めます。
スクンビットは日本人街と呼ばれるだけあり、日本人が生活する上で必要なお店やサービスが驚くほど充実しています。
ナナ駅〜エカマイ駅の間のエリアには、デパート、スーパーマーケット、日本食レストラン、居酒屋、総合病院、クリニック、美容室、学習塾、語学学校などの習い事、携帯電話ショップ、賃貸不動産会社、リサイクルショップなど、日本語が通じるお店が集まり、海外に初めて暮らす方でも安心して生活をスタートできる環境が整っているのです。
ここまで日本人が暮らしやすい環境があるのは、タイに限らず世界的に見てもスクンビットが一番ではないでしょうか。
中でもプロンポン駅周辺は、スクンビットの中でも最も日本人が多く暮らす街として知られ、通行人の多くが日本人。初めて訪れた人はその光景に驚くはずです。
スクンビットの各エリアの特徴を一言で表現すると以下のようになります。
- ナナ:歓楽街、アラブ人街、韓国人街が同居するエキゾチックタウン
- アソーク:ビジネスと観光の新たな中心地
- プロンポン:日本人に一番人気。便利過ぎるプロンポン
- トンロー:駐在員とタイ人富裕層の街
- エカマイ:カフェとパブと高級住宅街
各エリアについては、個別の記事で詳しく解説していきますので、お楽しみに!
私が考えるスクンビットのメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。
スクンビットのメリット・デメリット
△メリット
・日系店、日本語が通じるお店が多いので安心感がある
・ショッピングモール、スーパーマーケット、飲食店が充実
・オシャレな飲食店が多い
・大きな公園が2つある
・物件の選択肢が豊富
・レンタルオフィス、コワーキングスペースが豊富
・スクンビットから出なくても生活が成り立つ
▼デメリット
・物価、家賃が高い
・日本人が多いので気が抜けない
・良くも悪くもタイらしさが少ない
バンコクのベッドタウン的存在、プラカノン、オンヌット、ウドムスック、バンナー
続いては、バンコク都心で働く人々のベッドタウン的存在であるプラカノンとオンヌット、ウドムスック、バンナーについて。
このエリアは特にこれといった呼び方はないのですが、このブログでは、「ネクストスクンビット」と呼ぶことにします。
ネクストスクンビットの中でも、BTSスクンビット線のプラカノン、オンヌットとその先のウドムスック、バンナーでは、暮らしやすさや街の雰囲気も異なりますので、この2つのエリアは分けて解説します。
なぜ異なるのかといえば、それはBTSスクンビット線の開業時期が理由です。
BTSスクンビット線は1999年に開業し、当時の東側の終点はオンヌットでした。その後、2011年8月にオンヌット以東が延伸され、バンチャック、プナウィティ、ウドムスック、バンナー、ベーリンが開業。(現在ではさらに延伸され、ケーハ駅が終点)
オンヌットとその先のウドムスック、バンナーではBTS開業に12年の差があったため、街の発展度合いにも差が開いてしまったのです。
5~6年前までなら日本人が暮らしやすいエリアとして、ウドムスック、バンナーを紹介することはなかったでしょう。
ですが、ここ数年でコンドミニアムや商業施設が増え、このエリアに住む日本人も増えてきましたので、今回おすすめのエリアに含めた次第です。
家賃のコスパと利便性を求めるならプラカノン、オンヌットがベスト!
僕がタイに移住した2011年の時点で、すでにオンヌットにはたくさんの日本人が暮らしていました。駐在員よりも現地採用として働く方やロングステイで滞在している方の割合が多いのが特徴ですが、プラカノン、オンヌットはスクンビットに隣接しているにも関わらず家賃が割安というのがその理由です。
プラカノン、オンヌットの駅前には高層コンドミニアム、日本でいえば、“タワマン”が林立。日本でタワマンに住むには高額な家賃を覚悟する必要がありますが、このエリアでは家賃30,000円台〜借りることがで可能です。
安かろう悪かろうではなく、たとえ30,000円台のタワマンでもプール、フィットネスジムは必ず付いていますし、最近ではラウンジやコワーキングスペースが付いている物件も増えています。
特にオンヌットは、“タイ人が一番住みたい街ランキング”で何年も1位を獲得しているだけあり、ネクストスクンビットの中でもコンドミニアムの数、生活の利便性において頭一つどころか二つ、三つ抜けているといっていいでしょう。
オンヌット、プラカノンについても個別の記事で詳しく解説していきますので、お楽しみに!
プラカノン、オンヌットのメリット・デメリット
△メリット
・スクンビットまでBTSやタクシーですぐ。
・スクンビットに比べて家賃が割安で物件の選択肢が豊富。
・大型スーパーが2つある(オンヌット)
・高速道路の入口が近い
・スワンナプーム国際空港へのアクセスが良好
・ほどよいローカル感
▼デメリット
・BTSの通勤ラッシュが酷い
・スクンビットに比べて飲食店(特に和食)が少なめ=デリバリーの選択肢も少ない
・レンタルオフィス、コワーキングスペースが少ない
・日系店が少ない
よりローカルな雰囲気が味わえるウドムスック、バンナーエリア
オンヌット以東のバンチャック、プナウィティ、ウドムスック、バンナーになると、ガクンと外国人の姿が減ります。
ですが、逆にそれがいいと、プラカノン、オンヌットからこのエリアに引っ越す日本人も少なくありません。
バンナー、ウドムスック周辺にはインターナショナルスクールが集まっているため、家族でこのエリアに引っ越してくる人もいます。
ウドムスックはこのエリアの中では繁華街という立ち位置の街。駅前には市場や屋台街があり、タイらしい下町情緒にあふれています。
目抜き通りであるウドムスック通りの中程には、レストランやナイトマーケット、パブなどが集中。平日・週末を問わずたくさんの人で賑わっています。
ウドムスック駅前はコンドミニアムも増え、プラカノン、オンヌットに比べても割安な家賃が魅力です。
バンナーには国際展示場(バイテック)やタイ東部方面に向かう高速道路(バンナートラッド)の入口があり、バンコク副都心として開発が急ピッチに進められています。
バンナー駅前にはコンドミニアムとコミュニティモールの複合施設がありますが、路面店の飲食店は皆無。
コンドミニアムなどの住宅はバンナートラッド沿いに集まっていますので、自家用車がなければ生活がままなりません。
東部方面で働く駐在員はバンナーに住んでいる方も多いですが、移住したばかりの方には不便な環境でしょう。
バンチャックとプンナウィティにもコンドミニアムはありますが、大型の商業施設やスーパーは皆無。
唯一、プナウィティ駅直結のウィズダム101というコンドミニアム、オフィス、ショッピングモールの複合施設があるのですが、実はここが素晴らしいのです。
日本食レストランをはじめとして飲食店が充実、スーパーマーケットやコワーキングスペースもあり、食事、買い物からリモートワークまで、このモールだけで事足りてしまいます。
このウィズダム101に併設されたコンドミニアムも家賃は30,000円台〜と格安。
ウドムスック、バンナーエリアで住むなら個人的にはこのウィズダム101のコンドミニアム一択です。
このウィズダム101については、個別の記事で詳しく解説していきますので、お楽しみに!
ウドムスック、バンナーエリアのメリット・デメリット
△メリット
・タイらしい下町風情が味わえる
・家賃もプラカノン、オンヌットより割安
・インターナショナルスクールが多い
・日本人をはじめ外国人が少ないので、海外に暮らしている実感がある
・メガバンナー(IKEAが入居)という巨大モールがある
・スワンナプーム国際空港、パタヤ方面のアクセスが良好
▼デメリット
・日本食レストランがフランチャイズ系のお店しかない
・外国人好みの飲食店が少ない
・日系店が皆無
・タイ語ができないと少し不便
・スクンビットまで遠い
・デリバリーの選択肢が少ない
・レンタルオフィス、コワーキングスペースが少ない
都心中の都心、プルンチット・チットロム
続いてはバンコクの都心中の都心といえる、プルンチット、チットロムについて。
BTSスクンビット線のプルンチット駅、チットロム駅を中心とするエリアで、観光客に有名なサイアムに隣接しています。
このエリアには高層オフィスビル、高級デパート、5つ星ホテルが集まり、まさにバンコクの一等地といえるエリアです。
また、“バンコクのオアシス”的存在であるルンピニー公園があるのもこのエリアになります。
職住近接を好む外国人駐在員も多く暮らしていますが、逆にビジネスや観光が目的の人意外には、ちょっと賑やか過ぎるというか、都会過ぎるエリアかなと思います。
飲食店はデパート内がほとんどなので、気軽に入れる路面店は皆無。食事も買い物もデパートが生活の中心になります。
ですので、物価もスクンビットと同じかそれ以上は覚悟しなければなりません。
生活費に余裕があり、都会的な街並みが好きで、清潔なデパートで食事も買い物も済ませたい、という方にはおすすめです。
プルンチット、チットロムのメリット・デメリット
△メリット
・バンコクの一等地というブランド
・デパートが多く、買い物天国
・日常で観光気分が味わえる
・外国人向けの商業施設ばかりなので簡単な英語だけで生活ができる
・ルンピニー公園が近い
・レンタルオフィス、コワーキングスペースが豊富
▼デメリット
・物価がバンコクで最も高い
・スクンビットに比べて物件の選択肢が少ない(家賃は同程度か少し高い程度)
・観光地なのでボッタクリのタクシーが多い
・渋滞が頻発
・デモ会場になることが多い
・路面店が皆無
・タイらしさを感じることが少ない
ビジネスと観光の中心、シーロム・サトーン
プルンチット・チットロムからルンピニー公園を挟んで南側に位置するのがシーロム・サトーンです。
このエリアはバンコク最大のオフィス街であり、たくさんの日系企業がここにオフィスを構えています。
チャオプラヤー川に隣接し、三大寺院や中華街へのアクセスも良好。そのためこのエリアにはホテルや旅行会社も多く、バンコク観光の拠点としての顔も持っています。
古くから日系企業や日本人観光客がこのエリアに集まっていたため、日本食レストランなどの日本人向けのお店が多いことがこのエリアの最大の魅力です。
それらの店では日本語が通じることも多く、ここは日本か?!と錯覚しそうになります。
また、このエリアは都市鉄道が発達しているのも特徴の一つです。
BTSシーロム線:サラデーン駅、チョンノンシー駅、セントルイス駅、スラサック駅
MRT(地下鉄)ブルーライン:ルンピニー駅、シーロム駅、サムヤーン駅
このエリアであれば、どこに住んでも徒歩圏内に駅があるため、タクシーに頼らず生活ができることは大きな魅力と言えるでしょう。
BTSサラデーン駅、MRTシーロム駅近くには、有名なパッポン通りやタニヤ通りという歓楽街があり、夜の街という側面もあります。
だからといって治安が悪いというわけではありませんが、歓楽街の宿命というか、酔客とボッタクリのタクシーが多いことは注意すべきポイントです。
もちろん、毎晩飲み歩きたいという方には最高の環境ですよ!(笑)
シーロム・サトーンのメリット・デメリット
△メリット
・都市鉄道が発達している
・観光地へのアクセスが良好
・チャオプラヤー川が近く、タイらしさも味わえる
・日本食レストラン、居酒屋が多い
・日系店、外国人向けのお店が多い
・レンタルオフィス、コワーキングスペースが豊富
▼デメリット
・観光地なので物価が観光客価格
・スクンビットに比べて物件の選択肢が少ない(家賃は同程度)
・スクンビットに比べてオシャレな飲食店が少ない
・手軽な食堂が少ない
・スワンナプーム国際空港が遠い
・歓楽街があるのでボッタクリのタクシーが多い
・渋滞が頻発
バンコク新都心として開発が進むラチャダー
最後はバンコク新都心として開発が急ピッチに進むラチャダーエリア。
ラチャダーとはラチャダーピセーク通りを略した呼び方ですが、我々在住日本人がラチャダーと言うときは、MRTの駅で以下5つの駅周辺のエリアを指します。
・ラマ9世
・タイランドカルチャーセンター
・フアイクアン
・スティサン
・ラチャダーピセーク
特にラマ9世駅とタイランドカルチャー駅周辺は近年、高層コンドミニアムとオフィスビルが急増。新都心らしい景観に変わりつつあります。
私がタイに移住した2011年からの10年間でバンコク都心部で最もコンドミニアムが増えたのが、ラマ9とオンヌットです。
ラマ9には中国大使館があるため、在住中国人が多いことも特徴の一つです。
このエリアのコンドミニアムは、中国人投資家向けに建設されたものが多く、家族向けよりも単身向けの物件が多くなっています。
スクンビットのすぐ北に位置し、アソークまでMRTで数分という立地の良さにも関わらず家賃は割安。
オンヌット、プラカノンよりも少し安く、40,000円台で豪華な設備が付いた新築・築浅タワマンが選び放題というのが魅力です。
ショッピングモールも多く、買い物も便利。手軽な食堂もたくさんあります。
物価も安く、タイマッサージは1時間150Bという店も少なくありません。
またこのエリアは歓楽街という側面もあり、フアイクアン駅周辺には深夜〜明け方近くまで営業している食堂やナイトマーケットがあります。
夜型人間にはフアイクアンはとても暮らしやすい街と言えるでしょう。
事実、僕も以前フアイクアンには二年半住みましたが、すっかり夜型人間になってしまいました。(笑)
ラチャダーのメリット・デメリット
△メリット
・スクンビット、シーロムまでMRTで一本で行けるアクセスの良さ
・ドンムアン、スワンナプームの両空港までのアクセスも良い
・豪華な設備を持ちながらも格安な新築・築浅タワマンが豊富
・ショッピングモールが多いので食事・買い物が便利
・適度なローカル感が味わえる
・ナイトマーケットがある
▼デメリット
・ラマ9世駅周辺は渋滞が酷い
・日本食レストランはほぼモール内のみ
・日系店は皆無
・オシャレな飲食店が少ない
・レンタルオフィス、コワーキングスペースが少ない
まとめ
7000文字超えの長文を最後までお読みいただきありがとうございます。
今回ご紹介した5つのエリアを一言でまとめると以下の通りです。
スクンビット:世界有数の邦人社会が存在。ここに住めば間違いなし。日本人、外国人の友人を作りたい人向け。
ネクストスクンビット:スクンビットへのアクセスが抜群。家賃を抑えてローカルも味わいたい人向け。
プルンチット・チットロム:デパートが好きならこのエリア。超都心で生活したい人向け。
シーロム・サトーン:観光地へのアクセス抜群。観光も楽しみつつ、都会的な暮らしがしたい人。
ラチャダー:スクンビット、シーロムへのアクセスが良好。ローカルも味わいつつ適度に便利な暮らしがしたい人向け。
どのエリアにも魅力があり、正直どこに住んでも楽しめるはずです。
タイの物件は家具家電が付いていますし、不動産会社への仲介手数料も不要。
日本よりも気軽に引っ越しができますので、お気に入りの街が見つかるまで色んな街に住んでみるのもいいでしょう。
僕もまだ実行には移せていませんが、タイ在住中に一度はチャオプラヤー川沿いに住みたいと思っています。
今回ご紹介した5つのエリアは個別の記事で詳しく家賃や生活費、住環境などを解説していく予定です。
タイ移住を検討中の方はお見逃しなく!
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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