タイでの飲酒・アルコール規制について知っておくべきこと
タイを旅行で訪れると、南国特有のおおらかな雰囲気で日本に比べていろんな規制がゆるそうな国だと感じますよね。確かにそんな一面もありますが、ことアルコールに関しては日本よりも厳格な法律があります。
知ってか知らずか法律を破り、逮捕されてしまう日本人も少なくありません。
そこで今回は、タイで生活する上で知っておくべきアルコールに関する規制やルールについて解説していきます。
タイのアルコール販売規制
日本ではコンビニで24時間365日アルコールを買うことができますが、タイではそうではありません。アルコールの販売可能時間が法律で定められているのです。
タイのアルコール販売時間は以下のとおりです。
11時〜14時
17時〜24時
上記時間以外はアルコールを販売することが認められていないため、たとえ目の前に置いてあっても買うことはできません。
時間感覚のゆるいタイのことだから、数分くらいならオーバーしても売ってくれるだろうと思うかもしれませんが、1秒でも時間を過ぎればアウトです。
レジで販売時間を記録しているため、上記時間以外に販売したデータが残ると、お店側が処分されます。
レジを利用していない個人商店などでは上記時間以外にも販売してくれる店もあり、そこで買ったとしても購入者が罰せられることはありません。あくまで販売規制であって、購入・飲酒規制ではないからです。
例外的にホテル内のバーや空港などでは上記時間帯以外でもアルコールの販売が認められているケースもあります。
タイの禁酒日
タイでは禁酒日が法律で定められています。主に仏教に関する祝日と選挙に関する日が禁酒日にあたります。
仏教の祝日には以下のものがあります。
・万仏祭(マカブーチャ)
・仏誕祭(ヴィサカブーチャ)
・三宝節(アサラハブーチャ)
・入安居(カオパンサー)
・出安居(オークパンサー)
「タイ 禁酒日 2021」とググれば、その年の禁酒日一覧を紹介しているサイトが見つかりますので、一日も晩酌を欠かせないという方は事前にご確認ください。
仏教の祝日以外では、選挙の投票の前日と当日、期日前投票日が禁酒日になります。
日本人には選挙権がありませんので、選挙の投票日を気にする人はほとんどいないと思いますが、お酒が好きな方は選挙日を要チェックです。
飲酒が禁止されている場所
タイでは飲酒が法律で禁止されている場所もあります。具体的には公園、駅構内及び電車内、学校、官公庁、医療機関、寺院などの宗教施設、ガソリンスタンドです。
お花見文化がある日本からすると、公園は意外かもしれませんね。
タイ以外でも特に欧米では公共の場所での飲酒を禁止している国は多く、どこでも飲める日本のほうが特殊といえるでしょう。
電車に関しては、長距離の寝台列車でも禁止されています。2014年に寝台列車内で13歳の少女が飲酒と覚せい剤で酩酊状態だった車掌に個室で強姦され、殺害。遺体を窓から投げ捨てられるという残忍な事件が起きて以来、電車内でのアルコールの販売はもちろん飲酒も禁止されました。
禁止場所で飲酒すると、6か月未満の懲役か最大1万バーツの罰金刑となります。
間違ってもビール片手に公園や寺院に入ることは止めてくださいね。
飲酒で逮捕される日本人
コロナ禍のタイでは、飲食店でのアルコール販売が禁止されていました。日本では自粛ですが、タイでは法律で販売禁止。
店内飲食はOKでもアルコール販売はNGという期間が長かったこともあり、中にはこっそりアルコールを販売する飲食店も少なくありませんでした。
警察も見て見ぬ振りをしていたと思いきや、見せしめ的に摘発することもあり、少なくない日本人が逮捕されています。日本のメディアでも報道されましたのでご存じの方も多いかも知れません。
↓は引用タグで囲って下さい。
“新型コロナ対策で禁止の飲酒をしたとして日本人9人が逮捕されました。
逮捕されたのはタイのチョンブリー県にある日本料理店にいた店員らと30歳から53歳までの日本人客9人で、24日夜、禁止されている飲酒をしたということです。
この地域では現在、飲食店でのアルコールの提供が禁止され、店内での飲食も午後9時まででした。”
参考記事:コロナ対策で禁止中に飲酒 タイで日本人9人を逮捕|テレビ朝日
SNSでは要注意!アルコールの広告規制
タイではアルコールの広告宣伝は基本的には違法です。お酒の広告が流れまくる日本のメディアからすれば、驚くべきことですよね。
タイのアルコール規制法第32条によると、「直接的間接的に人々を飲酒に誘導したりするようなアルコール飲料の名称や商標を宣伝や展示に使用してはならない」と定められており、原則としてアルコール飲料の広告・宣伝は禁じられているのです。
また同法第30条によると、「販売促進のための割引」も禁止されており、タイでよく見かける「Buy 1 Get1(1杯注文したらもう1杯無料)」などのプロモーションはこの法律に違反していることになります。
僕は広告代理業も行っているため、レストランやバーの広告宣伝ではアルコールの取り扱いには細心の注意を払っていますが、2015年に衝撃的な出来事がありました。
日本人がオーナーのレストランが、お店で使用していたメニューブックにジョッキに注がれたビールの写真を使っていたとして、46万バーツ(約150万円)の支払いを命じる判決が下されたのです。
これにはバンコクの日系飲食業や広告業界に衝撃が走りました。この事件はタイのニュースでも報道されましたが、いくらなんでも厳しすぎる判決じゃないか?という論調が多かったと記憶しています。
さすがにこれは極端な例かもしれませんが、これだけアルコールの広告宣伝には厳しいということです。
注意しなければいけないのはお店側だけではなく、ひとりのお客として飲食店を訪れる私達も同じ。アルコールの写真や動画をブログやYouTube、SNSにアップすることが広告宣伝に該当してしまう可能性がゼロではないのです。
特にフォロワーが多く、インフルエンサーのように影響がある人は要注意。
まったくその気がなくてもステマを疑われてしまい、最悪逮捕される可能性もあります。
アルコールが少し写っているくらいでは問題ありませんが、前述のとおり「直接的間接的に人々を飲酒に誘導したりするような」投稿内容は避けたほうが無難です。
お店側からアルコールの写真をアップしてほしいと言われても、断るようにしましょう。
まとめ
以上、タイで生活する上で知っておくべき飲酒・アルコールに関する規制を解説しました。
日本では考えられないほど、厳格なルールが定められていますよね。飲酒禁止の場所での飲酒はリアルに逮捕される可能性が高いのでご注意下さい。
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
Twitter
https://twitter.com/naoya_bkk /
Instagram
https://www.instagram.com/naoya_bkk/
Youtube
https://www.youtube.com/c/naoyaakashi