記事一覧

飽くなき向上心にグッとくる、エポックメイキングな時計

機械式時計は、原理こそ1世紀以上前のクラシックだが、時とともに研鑽され、それぞれの時代で新たな潮流を生み出した。

それは今も変わりなく続く。やがて後世において、その1本が時計を進化させたと称されるかもしれない。今回はエポックメイキングな時計、前編。

PIAGET
ピアジェ/アルティプラノ-アルティメート・オートマティック
極薄ムーブメントに秘めたメゾンの創造性と矜持



K18PGケース、41mm径、自動巻き。312万5000円/ピアジェ 0120-73-1874
ピアジェの極薄ムーブメントの歴史は、1957年の9Pにまで遡る。厚さ2mmという世界最薄の手巻きムーブメントであり、それはエポックメイキングとなった。

だがそれも通過点にすぎず、3年後には厚さ2.3mmの12Pを発表。自動巻きにおいても世界最薄を達成したのだ。

だがピアジェが極薄にこだわるのは、決して記録のためではない。それはムーブメントの薄型化で得られるデザインの自由度のためであり、ハイジュエラーの顔も持つメゾンにとっては創作の一部だから。

新作はケースとの一体構造設計とペリフェラルローターの採用でケース厚4.3mmを実現している。

LONGINES
ロンジン/マスターコレクション
年次カレンダーに込められた機械式の理想



SSケース、40mm径、自動巻き。26万7000円/ロンジン 03-6254-7351
2005年に誕生したロンジン マスターコレクションは、実用道具としての高い完成度と伝統が息づくスタイルで、ブランドの揺るぎないシンボルになった。

そして今年、満を持してアニュアルカレンダーを搭載。月の大小を時計が判断し、着用者は2月末日のみ修正するだけで、1年間正確にカレンダーを日捲りする。コンプリケーションに準ずる機構にもかかわらず、並列した小窓でデイデイトを表示するさりげないデザインも好ましい。

そこに込められたのは、より日常的な道具として機械式時計の完成度を追求する情熱。それは良心的なプライスにもしっかり反映されており、ブランドの誠実さがひしひしと伝わってくる。

BAUME & MERCIER
ボーム&メルシエ/クリフトン ボーマティック
日々をともに過ごし、寄り添う道具だから



SSケース、40mm径、自動巻き。30万5000円/ボーム&メルシエ 03-4461-8030
ボーム&メルシエは、品質・デザイン・プライスの三拍子が揃ったブランドとして高く評価される。

初の自社開発ムーブメントとなったボーマティックにおいても、何よりも使う側の満足度を追求している。

1500ガウスの高耐磁性は、身の回りの磁気から精度を守り、120時間のロングパワーリザーブは、5日間身に着けずにいても動き続ける。これは安定したトルクを供給し、だからこそ日差-4〜+6秒の精度を保てるのだ。



さらにムーブメントに要する潤滑油から見直し、高品質のものを使うことで、通常は5年とされるメンテナンス頻度をさらにのばした。時計を生活道具として磨き上げた末のエポックメイキングである。


【関連記事】:ファッション製品のレポートと関連情報の専門的な追跡

光を吸収する漆黒の文字盤。H.モーザー「ベンチャー・コンセプト ベンタブラック® ダイヤモンド」

H.モーザーの新作「ベンチャー・コンセプト ベンタブラック®ダイヤモンド」は、ホワイトゴールドの純粋さと白く光るダイヤモンドの輝き、そして光を99.965%吸収する革新的な素材ベンタブラック®を使用した深みのある黒文字盤が融和して、究極のミニマリズムを体現したタイムピースとなった。



H.モーザー「ベンチャー・コンセプト ベンタブラック®ダイヤモンド」
手巻き。29石。18,000振動/時。18KWGケース(直径39mm)。Vantablack®文字盤。パワーリザーブ約3日間。6,000,000円(税別)。


究極の白と黒、ダイヤモンドとベンタブラック®
 Vantablack®を用いたダイアルの製造には高度な専門技術が必要で、一般的に天体物理学の分野では望遠鏡、軍事分野では熱迷彩に採用されている。スーパーコピー時計H.モーザー社はこのハイテク素材の新たな用途を見出し、美しい曲線を描く官能的なこのモデルにグラマラスな魅力を添えた。トップ部分がドーム型クリスタルの丸みを帯びたケースは、懐中時計、1960年代のコンベックス(凸型)シェイプ、そして 1920年代に一世を風靡したバウハウス ムーブメントを思わせる。ベンチャー・コンセプト ベンタブラック®ダイヤモンドの見事なデザインは、イブニングドレスやディナージャケットと合わせても申し分なく、大胆にして洗練された、伝統的で官能的、驚くべき深みを湛えた美しい輝きが魅力だ。

313個ものダイヤで飾られたホワイトゴールド製のケース


ベンチャー・コンセプト ベンタブラック®ダイヤモンドには自社製手巻キャリバー HMC 327 が搭載されており、これはサファイアガラスのケースバックから見ることができる。ロレックス スーパーコピーこのムーブメントのパワーリザーブは約3日間と十分なもので、ダイアルのミニマルなデザインの魅力を損なわないよう、時計裏側のインジケーターに表示されるようになっている。

【関連記事】:宮城県の高級情報

安藤忠雄×ブルガリ「オクト フィニッシモ トゥールビヨン オートマティック」限定8本

ブルガリは既に日本人建築家の安藤忠雄氏とのコラボレーション限定モデル「安藤忠雄 × ブルガリ オクト フィニッシモ」コレクション限定200本を発売した。続いて限定数量わずか8本の「安藤忠雄 × ブルガリ オクト フィニッシモ トゥールビヨン オートマティックモデル」も発売した。

宇宙空間に存在するブラックホール



トゥールビヨンから同心円が生まれ、ダイアル全体に広がって行く。建築、時の流れ、永遠性、純粋性…安藤忠雄の作品とオクトフィニッシモによって力強く象徴されるコンセプト。ブルガリ 時計 レディース「遠い宇宙空間に存在するブラックホールというテーマが頭をよぎった。時計の周辺から秒を刻む中心に向けて渦を巻き、次第に深みに見えなくなるといったイメージである。時と共に広がる水の波紋でもある。それは、集中から拡散への 時を超える無限、永遠性の表現である。」と安藤は語った。
安藤忠雄 × ブルガリ オクト フィニッシモ トゥールビヨン オートマティックモデル


8本限定の「安藤忠雄 × ブルガリ オクト フィニッシモ オートマティック トゥールビヨン オートマティックモデル」。カーボン製ダイヤルは迷彩柄のような独特の文様に仕上がった。トゥールビヨンキャリッジを中心に螺旋が渦を巻いている姿は、無限の時間の螺旋を表現している。ペリフェラルローターを搭載し、現段階で世界最薄の自動巻きフライングトゥールビヨン。2万1600振動/時。パワーリザーブ約52時間。カーボンケース(直径42mm、厚さ 3.95mm)。10m防水。世界限定8本。17,000,000円(税別予価)


【関連記事】:学生時代の腕時計

H.モーザーとMB&Fが作り上げた、ふたつの驚くべきトゥールビヨン

H.モーザーとMB&F(エム・ビー・アンドエフ)は共同、複数のバージョンを持つ2種類のモデルを15本限定で発表した。15本という数は、MB&Fの誕生15周年とH.モーザーのリローンチ15周年にちなんだもの。フュメダイヤルで存在感を示すH.モーザーと、「オロロジカルマシーン」で機械式時計の造形を大きく変えたMB&F。良きライバルでもある両ブランドは、互いの哲学を守りつつも、極めてユニークな共同作品を作り上げたのである。そのH.モーザー版が「エンデバー・シリンドリカル トゥールビヨン H.モーザー × MB&F」だ。



エンデバー・シリンドリカル トゥールビヨン H.モーザー × MB&F
ふたりのクリエーターが作り上げたコラボレーションモデルにはMB&F版とH.モーザー版があり、こちらは後者。SSケースで文字盤はすべて濃淡のあるフュメダイヤル。ファンキーブルー、コズミックグリーン、バーガンディ、オフホワイト、アイスブルーの5バージョンがある。ムーブメントはラチェット式の両方向巻き上げである。自動巻き(Cal.HMC 810、直径32mm、厚さ5.5mm)。29石。2万1600振動/時。SS(直径42mm、厚さ19.5mm)。パワーリザーブ約3日間。30m防水。各色世界限定15本。950万円(税別)。今夏発売予定


H.モーザー「エンデバー・シリンドリカル トゥールビヨン H.モーザー × MB&F」
 H.モーザーとMB&Fのコラボレーションは、具体的な形を伴って進められた。MB&Fが提供したのは、同社のアイデンティティである三次元のムーブメントと、それを保護するサファイアクリスタルのドーム、大きく傾斜させた文字盤、そして12位置の開口部からメインダイアル上に現れるフライングトゥールビヨンの技術である。対してH.モーザーは、独自のヒゲゼンマイとフュメダイアルの技術提供を行った。確かに、両社の個性を生かしつつ、足りない部分を補っている。とりわけ、H.モーザーのグループ会社であるプレシジョン・エンジニアリングの製作した特別なヒゲゼンマイが、両社を繋ぐカギとなった。

コラボのカギとなった、プレシジョン・エンジニアリング製のヒゲゼンマイ



トゥールビヨンには円筒形ヒゲゼンマイを搭載。これはH.モーザーのグループ会社であるプレシジョン・エンジニアリング社が、MB&Fの「LM サンダードーム」のために開発したヒゲゼンマイと同じものだ。
 18世紀に開発されたこの円筒形(シリンドリカル)ヒゲゼンマイ(提灯型ヒゲゼンマイともいう)は、ウォームギヤやコルク栓抜きのように、垂直に立ち上がる構成を持っている。当時のマリンクロノメーターに広く使用されていたこのヒゲゼンマイは、一般的な平ヒゲゼンマイと異なり、同心円状に拡大収縮する特長を備えている。この点は、先端から天真のホゾに負担がかかる平ヒゲゼンマイに比べて大きな利点であり、後に開発された、ヒゲゼンマイの外側を補正するブレゲヒゲ(とりわけフィリップス曲線を持つもの)でさえも、円筒形ヒゲゼンマイには及ばない。加えて円筒形ヒゲゼンマイは両先端をブレゲヒゲのように巻き上げてあるため、天真ホゾの摩擦を軽減して、等時性を大幅に改善できる。しかし、独特な形状のため製造が非常に難しいため採用はごく一部のモデルに限られる。事実、プレシジョン・エンジニアリングでは、通常の10倍の時間を要して円筒形ヒゲゼンマイを製造している。また、仮に製造できたとしても、高さがあるため普通の時計には搭載できない。ドーム状の風防と立体的なムーブメントを持つフライングTは、円筒形ヒゲゼンマイの採用にはうってつけだったのである。



レガシーマシン 101 MB&F × H.モーザー
こちらはレガシーマシン101に、モーザー風のデザインを与えたモデル。ヒゲゼンマイは円筒型ではなく、平ヒゲゼンマイだが、それを2枚重ねて、円筒形ヒゲゼンマイと同じ効果をもたらす、ダブル・ヘアスプリングを採用する。その結果、ケースの高さは抑えられた。採用された4種類のフュメダイアルは、レッド フュメ、コズミックグリーン フュメ、ヤスマリーナブルー フュメ(アフメド・セディキ・アンド・サンズ限定)、そして有名なファンキーブルーフュメだ。手巻き。23石。1万8000振動/時。SS(直径40mm、厚さ16mm)。パワーリザーブ約45時間。30m防水。各色世界限定15本。価格未定(日本未入荷)
 レガシー・マシン 101は大ぶりのテン輪を文字盤上に懸架し、パワーリザーブ、そして時分針という機械式時計のエッセンスをミニマルに昇華させたモデルである。宙に浮いた直径14mm魅惑的なテン輪は中央に配置されているが、フュメダイアルの美しさを引き立てるため、二つのサブダイアルは省かれた。マキシミリアン・ブッサーが時計製造の神髄と考えているテンワには、プレシジョン・エンジニアリング社が製造したダブル・ヘアスプリングが搭載されている。なお、フランソワ・モヨンとカリ・ヴティライネンが設計した古典的なムーブメントは従来のままである。

アヴェンチュリンエナメルダイアルを採用した「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ フライング トゥールビヨン」が登場

オーデマ ピゲより「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ フライング トゥールビヨン」が発表された。その名の通りフライングトゥールビヨンを搭載した今作は、アヴェンチュリンエナメルダイアルを採用。CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲに更なる立体感をもたらせている。

オーデマ ピゲ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ フライング トゥールビヨン
ブラックアヴェンチュリンエナメルダイアルとピンクゴールドケースを組み合わせたモデル。自動巻き(Cal.2950)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ65時間。PG(直径41.0mm、厚さ11.8mm)。30m防水。価格要問合せ。


深みのあるアヴェンチュリンエナメルとトゥールビヨンが魅せる、新たな「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」
 2019年、SIHHにてオーデマ ピゲの「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」(以下CODE 11.59)コレクションが発表された。2020年は3針やクロノグラフの新作など、着実にラインナップを増やしてきた同コレクション。今回は新たにフライングトゥールビヨンを搭載した「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ フライング トゥールビヨン」が追加された。同社は2018年のロイヤル オーク コンセプトコレクションで、フライングトゥールビヨンを載せた手巻きムーブメント搭載モデルを発表しているが、今回はフルローター式の自動巻きムーブメントの採用となった。厚みの面で不利となるフルローター式であるが、あえてそれに挑戦したのは同社らしいと言えるだろう。今作は、ダイアルとケースのカラーが異なる1型2種での展開となる。



裏蓋はシースルーとなっている。ケースに合わせた22Kピンクゴールドのローターは、大きくスケルトナイズされており、ムーブメントが鑑賞しやすくなっている。
 ひとつめは、ダイアルにブラックアヴェンチュリンエナメルを採用し、インデックスや針、ケースにピンクゴールドを用いたモデルだ。このダイアルは、ゴールド素材の上にアヴェンチュリンガラスのパウダーを重ね、グランフーエナメルで仕上げたものである。焼成は職人の手作業によって行われ、何度も何度もガラスパウダーの塗り重ねと焼成を繰り返すことで、ひとつひとつ違った表情を持つダイアルに仕上げられる。



ホワイトゴールドケースのモデルには、ロジウムカラーの22Kゴールド製ローターが採用されている。搭載されているキャリバー2950は、オーデマ ピゲ初となるフライングトゥールビヨン搭載の自動巻きムーブメントだ。
 デザインは、両モデルともCODE 11.59の基本を踏襲している。薄い円形のベゼル、8角形のミドルケース、円形のケースバック、そして大胆に肉抜きされた短めのラグなど、いずれも他のコレクションでは見られない唯一無二の意匠である。今作で採用されたアヴェンチュリンエナメルは、ダイアルに透明度と深みを持たせることで、CODE 11.59にさらに立体的な表情を与えた。同コレクションの魅力を更に引き立てる仕様だと言えるだろう。


【関連記事】:紳士推薦します