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2021年に初お目見えしたクロナジーエスケープメント。





 もちろん、新しいSS製GMTマスターIIと以前のモデルのもう1つの大きな違いで、オーナーにとってムーブメントよりもはるかに目につくものはジュビリーブレスレットである。(セラクロムベゼルGMTマスターIIにジュビリーブレスモデルが登場するのは初。もちろん、多くのヴィンテージモデルで正しい年代のブレスレットが見つかるが)。


 ジュビリーブレスレットはGMTマスター/ GMTマスターIIの時計とは別にしても、ロレックスの歴史の中において面白いピースである。1945年にデイトジャストに付けられて登場した(1945年はウィルスドルフ&デイビス社という名で、1905年に設立された同社の40周年だった。ロレックス サブマリーナ結婚40周年は“ルビー”ジュビリーというわけだ)。ジュビリーブレスレットはまた、最初のロレックス自社製ブレスレットでもあった。それ以前はゲイ・フレアー社に依存していた(同社は1998年、ついにロレックスに買収さた。ロレックスのブレスレットの歴史についての詳細は、記事『オイスターブレスレット全史』でご確認ください)。


 ペプシベゼルGMT(または、あらゆるGMT)のジュビリーブレスレットは、最もレビューすべき要素だ。すべての現行のロレックスブレスレットと同様に、美しく設計され、最上級のフィット感と仕上げを備えている。しかしジュビリーの採用は、オイスターブレスレットよりも少し装飾的になったのもまた確かだ。比較的真面目、かつ実用的なGMTマスターIIであれば、オイスターブレスの飾り気のない見た目が要求されるのではないか。快適さの問題ではない。ジュビリーブレスレットはリンクが小さいため、理論的には手首の形状により合いやすいはずだ。現行のオイスターブレスレットを使ったことがある人なら誰もが言うように、調整のしやすさと着けやすさにおいては何にも引けを取らない。では、なぜSSペプシGMT IIをジュビリーブレスレットでのみ提供し、さらに、オイスターブレスレットに交換できなくしたのだろうか。


 一般的に、ロレックスの考えを読み取ろうとするには、テレパシーか何かが必要だが、明らかに考えられる理由は、SSモデルとWGモデルを視覚的に区別するためだろう。そうでなければこの2つを区別するのはかなり難しい(少なくとも、ベテランのホワイトゴールドスポッター以外には)が、ジュビリーブレスレットであることで、SSバージョンであることが一目瞭然だ。SSバージョンはWGバージョンよりも見つけるのが非常に難しい可能性があり、ジュビリーブレスは購入希望者に魅力的な選択肢として提供するのは理にかなっている。特別なロレックスを持っていることを瞬時に分からせることができ、大満足させられるだろう。理論上かつイデオロギー的には、よりシンプルなオイスターブレスレットを好むかもしれないが、ジュビリーだからといってSSペプシGMT II の売り上げをわずかでも傷つけるかといえば、そうではないと考える。