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腕時計に見えないモダンなデザイナーズウォッチ


アラームウォッチについては、ほかにもいくつかヴィンテージものと現代のものと両方の選択肢がある。ヴィンテージの自動巻きメモボックスの価格帯は、ムーブメントのタイプや全体の状態にもよるが、2000〜3000ドル(約22万〜33万円)といったところだ。ここで見ていただいているような、きちんとしたケースとオリジナルのロゴ付きリューズ、そしてきれいなダイヤルをもつものであれば、この価格帯の上の方に近い相場となるが、比較のために約2500ドル(約27万5000円)を目安にする。


ジャガー・ルクルトのマスター・メモボックス。

 現代的な機械式アラームウォッチをを手に入れようとすると、2500ドルよりずっと高い価格設定になる。ジャガー ルクルトのマスター・メモボックスの価格はスティール製で1万700ドル(約117万円)であり、我々が示すことができる中ではこれが最も分かりやすい現代的なアナログウォッチだ。このほか、さまざまなヴァルカンのクリケットやチューダーのアドバイザーもある。ダイビングアラームや、他の複雑機構と組み合わせたアラームウォッチが欲しいのであれば、ヴァルカンは非常に良い選択肢だ。一方で、チューダーのアドバイザーは、より大きな42mmのケース径をもち、非常に現代的なアラームのオン/オフのシステムを採用している。いずれにしても、これらの時計は、ヴィンテージのメモボックスよりも3倍程度の費用が必要になる。

 マスター・メモボックスから得られるものは、ヴィンテージのメモボックスから得られるものとそれほど変わらないが、価格だけがはるかに高くなっている。だからこそ、これらのヴィンテージのCal.825を搭載したメモボックスに大きな価値が生まれるのだ。現代の同等の腕時計にに支払うよりもはるかに安い価格で、実に素晴らしい腕時計が手に入るのである。とはいえ、これが全ての時計に当てはまるわけではないことは、知っておいた方がいい。レベルソが良い例だ。非常に小さく、極めて繊細で、見つけるのが非常に困難なヴィンテージのレベルソの価格は、1万ドル(約110万円)を超える場合もある。一方、現代のグランド・レベルソ・ウルトラスリム・トリビュート・トゥ・1931は、技術的に優れた時計を身に着けやすいサイズで提供し、価格も抑えられている。


アンティコルムを通して入手した1950年代のチューダーのアドバイザー。

 もっと公平に比較するのであれば、現代の競合相手のヴィンテージ版に目を向けることができよう。つまり、1950年代~60年代のヴァルカンのクリケットや初期のチューダーのアドバイザーとの比較である。これらの時計はややニッチな時計であるが、比較的大量に生産されているため、非常に求めやすい価格が付いているのをよく見かける。オークションでは、アドバイザーのバイヤーズ・プレミアム前の最終落札価格が1500~2000ドル(約16万5000〜22万円)で落札されることも珍しくない。インターネットやショップで探し出すのであれば、それより低い価格で見つけることができる場合もある。クリケットはゴールドで製造される傾向にあったため、そうした時計にはもう少し支払うことになる可能性がある。とはいえ、それでもなお3000ドル(約33万円)未満の話である。


ジャガー・ルクルトのCal.825を搭載したメモボックス。

コレクター向けのヒント
 ヴィンテージのメモボックスを自分で見つけようと決めているのなら、いくつか注意すべき点がある。どんなヴィンテージウォッチでもそうだが、交換用パーツには注意が必要だ。特に、中央部のダイヤルディスク、針、リューズはしばしば後で付けられたものが多い。時には、ジャガー・ルクルトのサービスパーツではなく、汎用パーツと交換されていることもある。サービスパーツはオリジナルの部品よりも好ましくないのは言うまでもないが、オリジナルではないパーツが、時計の価値そのものを台無しにする可能性がある。

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